2007 Fiscal Year Annual Research Report
分娩後早期の牛の発性同期化と、交配後非妊牛に対する適切な再同期化処置法の開発
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19580372
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
上村 俊一 University of Miyazaki, 農学部, 教授 (90233949)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末吉 益男 宮崎大学, 農学部, 准教授 (10305063)
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Keywords | 発情同期化 / プロジェステロン製剤CIDR / 早期妊娠診断 / 再同期化 / 性腺刺激ホルモン放出ホルモンGnRH / 子宮修復 / 黒毛和種 / ホルスタイン乳牛 |
Research Abstract |
平成19年度は分娩後の自発的繁殖待ち期間に、牛の生殖器の修復や卵巣機能回復を検査し、個々の牛に応じた卵巣賦活や発情同期化処置を行った。 材料と方法:正常分娩した82頭82頭(BCS>2.5、2.8産)を3群に分け検討した。CIDR群(n=29)は分娩後30日に初回検診により子宮の修復状況を確認し、44日からCIDRを7日間挿入、除去時にPGF2α(プロスタベット5mg)、除去2日後にGnRH(酢酸フェルチレリン100μg)を投与し、その12時間後に定時AIを行った。CIDR/GnRH群(n=30)は、CIDR挿入時にGnRHを併用した以外はCIDR群と同じ処置を行った。CIDR/E2群(n=23)は、CIDR挿入時にE2を併用し、CIDRを9日間挿入して、CIDR群と同様の処置を行った。各群とも超音波検査法により卵巣および子宮所見を観察し、AI後12日に黄体確認、33日に妊娠診断を行った。対照群として、発情発見時にAIを行った牛(n=343)を用いた。 【結果】初診時、供試牛の17%で子宮が未修復であったが、CIDR挿入時にはいずれも左右子宮角が同程度の大きさとなり修復していた。初診時、試験牛の58.5%で黄体がみられ、CIDR群の21%、CIDR/GnRH群の60%でCIDR挿入中に新たな黄体の形成が認められた。AI後の黄体形成はCIDR群90%、CIDR/GnRH群100%、CIDR/E2群87.0%であった。試験群の初回AI受胎率は32.9%(27/82頭)で、初回AIまでの日数(53日)と空胎期間(136日)は対照群と比べそれぞれ26日、35日の短縮となった。 【まとめ】分娩後、子宮の修復状況を確認した後、CIDR挿入時にGnRHを投与すると挿入中に新たな黄体の形成がみられ、除去後に新鮮卵胞が発育、排卵する割合が高くなった。分娩後早期にCIDRを使用することで卵巣機能が回復し、初回AIまでの日数と空胎期間の短縮が認められた。
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