2007 Fiscal Year Annual Research Report
イヌ白内障発症における細胞容積調節系イオン輸送体の関与の解明
Project/Area Number |
19580376
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
落合 秀治 Azabu University, 生物科学総合研究所, 助教 (20247307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
印牧 信行 麻布大学, 動物病院, 准教授 (40139530)
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Keywords | 白内障 / イヌ / レンズ上皮細胞 / 遺伝性 / 細胞株 / イオン輸送体 / チャネル / 細胞容積 |
Research Abstract |
成熟白内障を呈したイヌのレンズ上皮細胞の初代培養細胞にSV40T抗原をコードするプラスミドをトランスフェクションした。遺伝子導入群では活発な細胞増殖が確認された。非導入群では3回の継代後、細胞分裂を停止した。導入細胞群からシリンダー法により、最も増殖が盛んな細胞株(cdLEC)を樹立した。この細胞を基本的に1:20の割合で4日おきに継代し、現在まで60代にわたり、安定した増殖能の獲得が示されている。このcdLEC細胞についてTRAPアッセイにより、テロメラーゼ活性を比較した結果、非導入群では活性がしだいに消失したが、cdLECでは活発なテロメラーゼ活性の獲得が示された。さらにレンズ特異タンパク質である、抗αBクリスタリン抗体を用いて、細胞抽出液をウェスタンブロット解析した結果、25kDaに単一のバンドが検出され、細胞染色では細胞質全体が染色されたことにより、クリスタリンタンパク質の発現が確認された。レンズ上皮細胞では高グルタチオン濃度を維持するためにその基質の一つであるグルタミン酸の輸送が報告されている。イヌグルタミン輸送体(EAAT)1-5について、RT-PCRにより検出を試みた結果、EAAT1-5すべて検出された。これらの結果より、cdLEC細胞はレンズ上皮細胞の形質が維持されると結論づけられた。cdLEC細胞は活発な細胞分裂能を有するため、いままで困難であった生理学的機能解析に供することが可能となった。現在、正常なイヌレンズ上皮細胞由来の株も作製中であり、この2種類の細胞株の比較検討により、イヌ白内障発症細胞の病態生理解明の礎ができることが期待される。
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