2007 Fiscal Year Annual Research Report
半乾燥地における水資源管理の変容が農業水利及び地下水涵養に与える影響評価
Project/Area Number |
19580379
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐藤 孝宏 Kyoto University, 東南アジア研究所, 研究員 (80444488)
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Keywords | 半乾燥地 / 水資源 / 蒸発散量 / 流域水管理 / ため池灌漑 / 井戸灌漑 / 換金作物栽培 |
Research Abstract |
A.GISを用いた土地利用及び水資源利用の時空間変容の把握 【流域レベルでの土地利用及び水資源利用の時空間変容】 2007年4月〜6月にかけて、タミルナドゥ州マドゥライ市南部を東に流れるGundar川流域を対象として、政府機関等が発行する統計資料などを収集し、1971年〜2006年の35年間における土地・水資源利用の時空間変容について分析を行った。対象地域の年間降水量は東に進むにつれて減少する傾向を持っていた。80年代以降州政府により井戸灌漑の導入が推進されたが、(1)導入は降水量の比較的豊富な西部に限られ、東部では依然として不安定なため池灌漑に依存している、(2)換金作物市場の発達に伴い作目変容が生じているが、この変容は要水量が高くなる方向に推移している、(3)換金作物導入の困難さが東部の人口流出の1要因となっていること、などを明らかにし、これらの知見を日本熱帯農業学会にて発表した。 【ため池受益地内部における土地利用及び水資源利用の時空間変容の把握】 2007年6月〜7月にかけて、タミルナドゥ州マドゥライ市南部のS村に滞在し、ため池修繕プロジェクト・水利組合設立が、同村の土地・水利用にどのような影響を与えているかを分析するため、関連資料の収集やため池受益地農民への聞き取り調査を行った。その結果、(1)多様なカースト層が在住する同村の水利組合は現在でも活発な活動を行っていること(2)プロジェクト前後でため池受益地の土地保有層がかつての農業労働者層(A層)にも拡大していること、(3)A層の保有する土地は受益地の中でも比較的水利条件に恵まれたところが多いこと、などが明らかになった。今後さらに分析を進め、成果の発表を行う。
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Research Products
(1 results)