2008 Fiscal Year Annual Research Report
改良型温室効果ガス3成分同時分析法開発に関する研究
Project/Area Number |
19580388
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Research Institution | National Institute for Agro-Environmental Sciences |
Principal Investigator |
須藤 重人 National Institute for Agro-Environmental Sciences, 物質循環研究領域, 主任研究員 (40354071)
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Keywords | 環境分析 / 地球温暖化ガス排出削減 / 環境質定量化・予測 |
Research Abstract |
温室効果ガス3成分同時分析法の改良のため、課題開始時に掲げた具体な、分析手法改良ポイシト(5点)を以下に再列挙する。 1:これまで分離特性の面から扱いが困難であったキャピラリーカラムの活用も検討する。 2:ガスクロマトグラフ恒温槽の制御方法について、より省スペースな方法を検討する。 3:電子捕獲型検出器(ECD)による高感度の亜酸化窒素(N2O)検出について、より一層の好適条件を、温度、流量、メークアップガス混合比等の組み合わせによって検討する。 4:メタン(CH4)検出に使用する水素炎イオン化検出器(FID)に替わる検出器(脚注参照)(PID、PDDなど)の使用可能性を検討し、性能を比較する。 5:注入方法について、従来の既製のガスクロマトグラフ部品のみならず、効率的な手法について検討し、試料の注入過程の効率化、低コスト化をはかる。 上記のポイントを踏まえ、平成20年度は、 1については、特に二酸化炭素と亜酸化窒素のキャピラリーカラムを活用した完全分離手法について検討した。大気中濃度が二酸化炭素の方が1000倍高いため、良好な分離条件を見出すのに難航したが、一部液体窒素を活用した低温濃縮法を採用することで、分離そのものは可能となった。ただし、実用化のためには、冷媒を使用しないより簡便な手法が求められる。 2については、既存のガスクロマトグラフでない安価な保温用オーブンを活用することでコスト削減に道筋ができた。 3については、ECDへのメタンの添加比率等を詳細に検討し、混合比の最適条件を見出した。 4については、PDDを活用したN2Oの検出が可能となった。これにより、3成分を1検出器で計測できる可能性が拓けた。 5については、自動注入法に関する試作器の開発に着手した。但し、未だ動作安定性の面で問題があるため、製品化にむけて試作機の完成度(エラー率の低減等)向上をはかりたい。
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