2007 Fiscal Year Annual Research Report
「リソソーム・液胞系」タンパク質分解による細胞の環境適応機構の分子基盤
Project/Area Number |
19580391
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
新谷 尚弘 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 准教授 (70374973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五味 勝也 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60302197)
大箸 信一 金沢工業大学, ゲノム生物工学研究所, 教授 (90387340)
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Keywords | リソソーム・液胞 / 出芽酵母 / 異常分泌タンパク質 / 環境適応機構 / タンパク質分解 |
Research Abstract |
1.異常タンパク質の液胞におけるクリアランス機構 ERAD基質として知られている出芽酵母のカルボキシペプチダーゼYの変異体(CPY*)にインベルターゼを融合することにより、CPY*が小胞体での分解を回避し、Vps10依存的に液胞で分解されることが明らかとなった。また、野生型のCPYもVps10依存的に液胞へ輸送され、液胞でペプチダーゼとして機能するが、CPY*とCPYのVps10による認識機構は異なることが実験により示された。さらに、CPY*を認識するがCPYを認識できない、あるはその逆にCPYを認識するがCPY*を認識できないVps10の変異体を得ている。 2.外界環境の変化に伴う細胞膜タンパク質の液胞による選択的ターンオーバーの制御機構 出芽酵母のモノカルボン酸輸送体Jen1は転写レベル、翻訳後レベルでグルコースによるカタボライト抑制を受ける。出芽酵母の遺伝子破壊株ライブラリーを用い、Jen1タンパク質のターンオーバーに関与する遺伝子をスクリーニングした。本年度は約1/3を解析し終わった。 Jen1は出芽酵母の唯一のモノカルボン酸輸送体であり、モノカルボン酸のアナログであるフルオロピルビン酸に対してJen1依存的に毒性を示す。酵母細胞を変異減処理することにより、フルオロピルビン酸耐性変異株を単離し、そのうちのいくつかはJEN1遺伝子そのものに変異が生じており、Jen1タンパク質は小胞体に蓄積していた。 3.オルガネラ・プロテオミクスによる「リソソーム・液胞系」タンパク質分解の総合理解の試み 本年度は出芽酵母から液胞の単離精製のための条件検討を行った。
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