2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横島 聡 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (10376593)
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Keywords | 全合成 / アルカロイド / Diels-Alder反応 / 窒素原子 / テトロドトキシン / ナトリウムチャネル / フグ毒 |
Research Abstract |
これまでの研究成果を引き継ぎ、テトロドトキシンの全合成法の確立を目指した。まずこれまでの検討で明らかになった問題点、即ち簡便な基質の不斉合成法の検討を行った。これまでの合成研究では、イソバニリンを原料として用いた大量合成可能な合成経路が確立されているが、ビシクロ[2.2.2]骨格の構築までに16工程を要していた。また途中不斉ジヒドロキシル化を用いた不斉合成の研究も行っていたが、不斉収率が高々70%eeにとどまっている。これらの問題を抜本的に解決可能な方法として、不飽和ラクトンと3-メトキシフランのDiels-Alder反応を用いた合成法を発案した。不飽和ラクトンは、光学活性体の入手が容易なエピクロロヒドリンを原料とし、短工程での合成が可能であった。しかしながら3-メトキシフランは比較的単純な構造を有しているにもかかわらず、これまで効率的な合成法は報告されていなかった。そこでシロキシジエンの酸化反応を鍵反応とした方法を含め、各種検討を行ったが、3-メトキシフランを得るにはいたらなかった。そこで別法の検討を行った。その結果、芳香環上に適切な置換基をゆうしたスチレンの不斉ジヒドロキシ化反応および金属交換を足がかりとするラクトン合成を用いた方法、およびリパーゼによる光学分割を含む方法の2種類の方法を見出すに至った。大量合成を考えたとき、後者の方が効率的であり、来年度以降は、本方法を用いて合成研究を継続する。
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Research Products
(15 results)