2007 Fiscal Year Annual Research Report
ベンザインの反応位置制御法の開発と多置換縮合芳香環構築
Project/Area Number |
19590008
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
赤井 周司 University of Shizuoka, 薬学部, 教授 (60192457)
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Keywords | ベンザイン / 縮合芳香環 / ケイ素基 / Diels-Alder反応 / フラン / 檜山カップリング / 位置選択性 |
Research Abstract |
天然物や合成医薬品には複数のベンゼン環が直列に繋がり,その環上に多種類の置換基を持つ縮合芳香環化合物が多数存在するが,これらの化合物の合成は必ずしも容易ではない。本申請研究では,ベンザインに置換したケイ素基を反応位置の制御と置換基導入の2通りに活用する,多置換縮合芳香環の新規簡便構築法を開発し,本法を創薬基盤研究へ応用することを目的とする。今年度は,研究計画に従って以下の成果を得た。 1. t-BuMe2Si基が置換したベンザインと各種2-アルキルフランとのDiels-Alder反応が,シリル基によって反応位置選択的に進行し,シリル基とアルキル基が離れた環化体を与えた。次いで,安定なt-BuMe2Si基を利用する檜山カップリング反応に世界で初めて成功した。更に,後者の反応では,隣接する水酸基が配位したシリケート中間体の形成が反応進行に必須であることもわかった。本成果は,ベンザイン前駆体,アルキルフラン,ヨウ化アリールの3成分を位置選択的に連結する,多置換ビアリール化合物群のコンビケム合成の新手法を提供するものである。 2. 種々のシリル基が置換したベンザインと2-シロキシフラン類とのDiels-Alder反応は,1.とは異なり,シリル基とシロキシ基が隣接した環化体を高位置選択的に与えることがわかった。本法を多置換ナフトキノン類の合成に応用した。 3. ベンザインへのマロン酸エステルやアミン類などの求核付加反応が,ケイ素置換基によって位置選択的に進行することを見出した。
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Research Products
(4 results)