2008 Fiscal Year Annual Research Report
芳香環の環拡大反応を鍵反応とする7員環縮合複素環化合物の新規構築法
Project/Area Number |
19590009
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
青山 豊彦 Nagoya City University, 大学院・薬学研究科, 教授 (80080191)
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Keywords | トリメチルシリルジアゾメタン / インダゾール / [3+2]環化付加反応 / t-ブチル(2-メトキシフェニィル)(オキソ)アセテート / ベンゾフラン-3-カルボキシレート |
Research Abstract |
1)ケトン類とトリメチルシリルジアゾメタンのリチウム塩を反応させると複雑な混合物となる.しかしリチウム塩をマグネシウムブロミドでマグネシウムプロミド塩に変換後,反応させると対応するジアゾアルコールがほぼ定量的に得られることを見出した.ジアゾアルコール類は文献上ほとんど知られていないため、化学的性質に興味ある化合物である.そこでジアゾアルコールと2-トリメチルシリルフェニルトリフルオロメタンスルフォナートより発生させたベンザインとの[3+2]環化付加反応を検討したところ,反応は円滑に進行し,3位にヒドロキシメチル基を有するインダゾールに高収率で変換できた.すなわち,トリメチルシリルジアゾメタンを用いることにより,ケトン類より2工程で3位にヒドロキシメチル基を有するインダゾールを合成する効率のよい一般法を開発することが出来た. 2)すでにトリメチルシリルジアゾメタンのリチウム塩とo-シロキシアセトフェノン類を反応させるとo-シロキシフェニルアセチレンが収率よく得られ、このo-シロキシフェニルアセチレンをアルデヒド,CO_2などの求電子剤の存在下,フ素イオンで処理すると3位にヒドロキシメチル基あるいはカルボキシル基が導入されたベンゾフランが得られることを見出している.この研究の一環としてt-ブチル(2-メトキシフェニィル)(オキソ)アセテートとトリメチルシリルジアゾメタンのマグネシウムプロミド塩の反応を検討したところ,対応するアセチレンはほとんど得られず,アルキリデンカルベン,オキソニウムイリド中間体を経由してベンゾフラン-3-カルボキシレート類が比較的好収率で得られることを見出し,その一般合成法を確立した.
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