2007 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物の酸化反応を用いる多環式骨格の構築法の開発
Project/Area Number |
19590013
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Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田村 修 Showa Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (30257141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 巌 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (80307074)
森田 延嘉 昭和薬科大学, 薬学部, 助教 (00433847)
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Keywords | ジベンゾフランキノン骨格 / 酸化的二量化 / popolohuanone E / violet-ouinone / ワンポット合成 |
Research Abstract |
(1)天然にはpopolohuanone Eをはじめとするジベンゾフランキノン骨格を有する化合物が多数存在する。それらの中には、様々な生物活性を示す化合物が含まれていることから合成化学者にとって,大変興味深い標的化合物群である。その構築法には、塩基による環化反応、熱または光による環化反応、ジクロロキノンとフェノール類のカップリング反応、遷移金属触媒を用いる環化反応などが知られている。申請者らはこれまでとは新規なジベンゾフランキノン骨格の構築法を開発した。すなわち、4-メトキシフェノール類よりベンゾキノン類を用いて二量化し、次いで二酸化スズを用いて脱モノメチル化し、キノン-フェノール類とする。このキノンフェノール類を酸素存在下、再びベンゾキノン類で処理すると環化反応が進行し、目的とするジベンゾフランキノン類が得られるというものである。環化反応に用いるベンゾキノン類の選択は、重要である。酸化電位が+0.9Vより小さい基質の場合にはベンゾキノンがよく、+0.9Vを超える場合にはクロラニルがよいことを見出した。この一連の反応は、4-メトキシフェノール類の二量化反応を用いているので、violet-quinoneやpopolphuanone Eの様な隠れた対称性を有する天然物の合成に好都合である。実際に本法を用いて、violet-quinoneの全合成に成功し、さらにpopolphuanone Eのモデル化合物の合成にも成功している。 (2)上記のジベンゾフランキノン骨格の構築法は4-メトキシフェノール類から酸化反応と脱メチル化反応から成る。検討した結果、二酸化スズ等の半導体と酸素を用いると、4-メトキシフェノール類からワンポットで目的とするジベンゾフランキノン類が得られることを見出した。本法は、大変に簡便なジベンゾフランキノン類の構築法である。
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Research Products
(5 results)