2009 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物の酸化反応を用いる多環式骨格の構築法の開発
Project/Area Number |
19590013
|
Research Institution | Showa Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
田村 修 Showa Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (30257141)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 巌 昭和薬科大学, 薬学部, 准教授 (80307074)
森田 延嘉 昭和薬科大学, 薬学部, 講師 (00433847)
|
Keywords | 4-メトキシ-1-ナフチルアミン / 半導体 / 分子状酸素 / 酸化的二量化 / ナフトキノン類 / ジベンゾカルバゾール |
Research Abstract |
SnO_2, ZrO_2, Nb_2O_5, TiO_2等の半導体存在下、分子状酸素による4-メトキシナフチルアミンの酸化反応を検討した。4-メトキシ-1-ナフチルアミン(1a)、4,6-ジメトキシ-1-ナフチルアミン(1b)、4,8-ジメトキシ-1-ナフチルアミン(1c)の3種類の化合物をまず合成した。これらの酸化電位を測定したところ、CH2Cl2中よりもアセトニトリル中の方が低い酸化電位を示し、アセトニトリル中で一電子移動を起こしやすいことが示された。また、前者2つのアミンに比べ、アミン1cの酸化電位は低く、酸化され易いことが示唆された。次いで、これらのアミンの分子状酸素による酸化反応を検討した。半導体である金属酸化物存在下、アミン1a-cを溶媒中分子状酸素と反応させたところ、1が酸化され1,4-ナフトキノンになった後、アミンが、共役付加して生成したと考えられる2-(4-メトキシナフタレン-1-イルアミノ)-1,4-ナフトキノン類2a-cと炭素-炭素結合が生成し酸化二量化芳香化して生成したジベンゾカルバゾール誘導体3a-cが得られた。予想通り、酸化反応自体は極性の高いアセトニトリル中で進行しやすいことが明らかとなった。また、アミン1a,bの反応はナフトキノン2a,bを主生成物として与えたが、最も酸化されやすい基質である1cはジベンゾカルバゾール3cを主成績体として与えた。反応がジベンゾカルバゾールを与えるためには、中間体のラジカルカチオンが二量化する必要がある。アミン1cの場合には、8位のメトキシ基が生成するラジカルを共鳴安定化したために、ラジカルカチオンの寿命が長くなったものと考えられる。
|
Research Products
(2 results)