2007 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン情報伝達機構解明のための新規糖関連物質の創製
Project/Area Number |
19590015
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高橋 秀依 Teikyo University, 薬学部, 教授 (10266348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南目 梨江 帝京大学, 薬学部, 助手 (70349257)
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Keywords | coyolosa / エーテル結合糖 / 還元的エーテル化 / 血糖降下作用 / 糖鎖 / トレハロース / 1C-メチル糖 / オキシラン |
Research Abstract |
本研究では、血糖効果作用を有する希少な糖類及びその関連物質を効率よく化学合成する方法論の確立と、それらを用いたインスリン情報伝達機構の解明を目的としている。本年度は、血糖降下作用を有する糖類の化学合成法の確立を主に検討した。 まず、血糖効果作用を有するエーテル結合糖であるcoyolosaの構造を基本とし、その類縁体合成を行った。coyolosaはメキシコのヤシの木の根から得られた天然物で、ピラノースが6位同士でエーテル結合した極めて珍しい構造を有している。このようなエーテル結合糖の安定供給をめざし、還元的エーテル化を用いて化学合成を行った。また、生物活性の検討によってエーテル結合糖に血糖効果作用があることを確認した。続いて糖のその他の部位(2〜4位)にエーテル結合を形成すべく、オキシランの開環反応を利用したエーテル結合形成を試みている。オキシランの開環にあたっては位置選択性が重要であるが、糖の環状に形成されたオキシランの場合は糖の水酸基の立体化学が影響し、高い選択性がもたらされることを明らかにした。この知見を基に様々なエーテル結合糖を化学合成することに成功した。現在、これらのエーテル結合糖の血糖効果作用について、特にインスリン分泌に関して生物活性の検討を他機関に行っていただいている。 以上のアプローチと並行して、ピラノースの1位にメチル基を導入した1C-メチル糖の合成も行っている。今年度は、天然物であるトレハロースに着目し、その類縁体として、1C-メチル糖が1位同士で結合した二糖の合成を行い、その立体構造の解析を行った。
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Research Products
(4 results)