2007 Fiscal Year Annual Research Report
マグネシウムカルヘツイドの化学の開拓と新規有機合成反応の開発
Project/Area Number |
19590018
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
佐藤 毅 Tokyo University of Science, 理学部, 教授 (20089329)
|
Keywords | カルベン / カルベノイド / マグネシウムカルベノイド / グリニヤール試薬 / 有機マグネシウム / シクロプロピルイヒ / 1.3-CH挿入反応 / ホモロゲーション |
Research Abstract |
カルベンやカルベノイドは非常に反応活性な炭素種として知られ、様々な特異な反応を示すが、一般に活性過ぎる故に制御が困難である。申請者らは、これに対し、1-クロロアルキルアリールスルホキシドとグリニヤール試薬との反応により、比較的安定なマグネシウムカルベノイドを生成させ様々な興味深い新規反応を見出しマグネシウムカルベノイドの化学を開拓している。本年度は以下の成果が得られたので列挙する。 (1) シクロプロパン環上のカルベノイド種であるマグネシウムシクロプロピリデンと芳香族アミン類との反応により芳香族アミン類のオルト位に直接C-シクロプロピル化する反応を見出した。(2) マグネシウムシクロプロピリデンとナフトール類との反応でspiro[2.6]nonadienone類が生成する新規反応を見出した。(3) マグネシウムシクロプロピリデンとアルキル金属との反応に引き続き求電子試薬との反応によりシクロプロパン環上のダブル置換反応を開発した。(4)マグネシウムカルベノイドの1,3-CH挿入反応の選択性を追及し、本反応の本質に迫りつつある。(5) マグネシウムβ-オキシドカルベノイドの転位反応を利用し様々な非対称ケトン類のホモロゲーション法を確立すると共に、その立体選択性や特異性をみいだし、本反応の本質を解明した。これら研究成果の他にも興味深い新反応を見出しており、これ等反応の本質の解明と新規有機合成法開発への展開について鋭意検討を続けて行く。
|
Research Products
(5 results)