2007 Fiscal Year Annual Research Report
ファーマコフォア検索を用いた新たながん標的分子の探索研究
Project/Area Number |
19590023
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
井藤 千裕 Meijo University, 薬学部, 准教授 (60193497)
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Keywords | 発がんプモーション抑制活性 / アポトーシス誘導活性 / ヒスタミン放出制活性 / シンナミルフェノール / フラノンクマリン / フェニルプロパノイド / フィトキノイド / 植物 |
Research Abstract |
1、シンナミルフェノール類の合成と発がんプロモーション抑制活性 数種のシンナミルフェノール類を合成し、これらに対する発がんプロモーション抑制活性試験を実施した。プレニル基を有するシンナミルフェノール類に強い活性を認め、さらにマウス皮膚2段階発がん抑制活性試験においても強い活性が認められたため、これらは発がんプロモーション抑制試薬として有用であることを認めた。 2、フラノンクマリン類のアポトーシス誘導活性 タイ産ミカン科Murraya siamensisの葉部から単離した5種のフラノンクマリン類について、ヒト前骨髄性白血病由来細胞株HL60に対する成長阻害活性試験を実施した。その結果、murrayacoumarin Bで処理した細胞では顕著な細胞死が認められ、その効果は処理時間に依存することを認めた。また、核染色による観察では核の断片を有するアポトーシス細胞の割合が時間依存的に増加した。さらに、murrayacoumarin Bはcaspase-9/caspase-3経路を経てアポトーシスを誘導することも証明した。 3、フェニルプロパノイド類およびフィトキノイド類のヒスタミン放出抑制活性 シキミ科シキミ属植物から単離した6種のフェニルプロパノイド類と6種のフィトキノイド類について、Caイオノフォアで刺激したラットマスト細胞株RBL-2H3細胞からのヒスタミン放出抑制活性試験を実施した。その結果、それぞれ2種の化合物に著しいヒスタミン放出抑制活性が認められた。さらに、これらの化合物についてTNF-α産生抑制活性試験を実施したところ、いずれの化合物もマスト細胞からのTNF-α産生抑制活性が認められた。
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