2009 Fiscal Year Annual Research Report
苔類およびキノコ類よりコレステロール排出に関与する核内受容体活性化物質の探索
Project/Area Number |
19590029
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
橋本 敏弘 Tokushima Bunri University, 薬学部, 教授 (10075955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅山 明美 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (40160329)
吉川 和子 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (40166921)
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Keywords | 苔類 / キノコ類 / Liver X receptor(LXR) / Farnesoid X receptor(FXR) / Riccardin C / Marchantin A / Grifolin誘導体 / 構造活性相関 |
Research Abstract |
最近、核内受容体であるヒト肝臓Xレセプターα(liver X receptor ; LXR)およびFarnesoid X receptor(FXR)の活性化によるコレステロールの排出促進機構が明らかになり、これら核内受容体の活性化によるコレステロール低下薬の開発が最近注目されている。四国を中心に西日本各地で100種以上の苔類およびキノコ類を採集した。採集した苔類およびキノコ類はメタノールなどを用いて抽出し、抽出エキスを得た。すでに我々は苔類ウスバゼニゴケよりLXRα選択的アゴニストであるRiccardin C(RC)を単離している。FXRアゴニストとして、ゼニゴケ類より大環状ビスビベンジル化合物、Marchantin A(MA)が得られている。コハネゴケ、フタバネゼニゴケ、ジンガサゴケ、シダレゴヘイゴケより大環状ビスビベンジル化合物25種を単離し、さらにアセチル化、メチル化などにより誘導体の合成を行い、構造活性相関を行った。現在までに、RCより強いLXRアゴニストは見出されていない。RCは、徳島文理大学薬学部の福山愛保教授のグループとの共同研究により全合成が行われた。活性にはRCの3個のフェノール基の存在と大環状構造がコンフォメーションが重要であることが示唆された。動物実験を進めるために、大量のウスバゼニゴケを採集し、RCをgオーダーで単離した。LXRアゴニストとしては、Plagiochin A, Ptychantol Aが見出された。キノコ類については、ニンギョウタケモドキ科キノコのコモリタケ、ニンギョウタケからFXRアゴニストであるGrifolin類が得られた。さらにホシアンズタケより4種の新規セスキテルペン、フルイタケより3種の新規トリテルペン、ハナビラタケより3種の新規フタリド化合物を単離した。これらの生理活性については現在検討中である。
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