2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体内含カルシウム化合物の迅速溶解のためのジグリコールアミド化合物の創製
Project/Area Number |
19590031
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
佐々木 祐二 Japan Atomic Energy Agency, 原子力基礎工学研究部門, 研究主幹 (20354839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小熊 幸一 国立大学法人千葉大学, 工学部, 教授 (60009529)
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Keywords | ジグリコールアミド / カルシウム溶解 / 錯形成 / 胆石 / 製薬 |
Research Abstract |
昨年、一昨年で親水性DGAの取得及び模擬試料(シュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム)や(EDTA,クエン酸、ニトリロ三酢酸、ウルソデオキシコール酸)を入手した。又、エイムズ試験を実施しTEDGAは突然変異能を有さないと判断した。また、DGA化合物とその他の錯形成剤とCaとの反応におけるカロリメトリー試験を実施し、両方の化学試薬共にカルシウム1に対して2分子結合すること、TEDGAは1分子目の結合定数は高いが、クエン酸は2分子結合の反応性が高いことなどが分った。加えて、模擬試料ペレットの作成を行った。 本年は、まず模擬試料の溶解試験を行った。比較対象の溶液は、クエン酸、EDTA溶液とTEDGA溶液であり、これら溶解溶液として0.1M TEDGA,クエン酸、EDTAは0.23M NaClに溶解し、PH3.0に調製した。TEDGA溶液10mlをバイアル瓶に取り、各試料を入れ40℃に加温振り混ぜた。溶解開始より300分後の溶液中のCa濃度を測定し、結果を比較した。シュウ酸カルシウム:コレステロール=70(%):30(%)或いはリン酸カルシウム:コレステロール=30(70):70(30)(%)の成型体はいずれもTEDGA溶液を用いた場合のカルシウム溶解量が高い。本実験からはTEDGAは従来からの胆石を溶解する溶解液よりも高い溶解性を示すことが分った。一方実試料として、人(男女)の胆石、及び猫の胆石の溶解実験を行った。その結果、TEDGAはヒト男性の胆石の溶解に最も高い効果を発揮したが、ヒト女性、猫についてはEDTAの性能が優れていることを確認した。なお、それぞれ生体試料の溶解性は、女性>男性>猫、の順であり、試料組成によって溶解性が異なることも確認された。
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Research Products
(1 results)