2007 Fiscal Year Annual Research Report
新しいイメージング手法による細胞内タンパク質構造の解析
Project/Area Number |
19590033
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三浦 隆史 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 准教授 (30222318)
|
Keywords | イメージング / ラマン分光法 / 細胞 / タンパク質 / アミロイド |
Research Abstract |
赤色染料コンゴーレッド(CR)はアミロイド線維化したタンパク質に対して高い親和性を持つ。CRの500nm付近の可視吸収はアミロイドとの結合により長波長シフトするため、水溶液中においてアミロイド形成を追跡する際のプローブとして用いることができる。本研究では、細胞に結合した状態でタンパク質のアミロイド形成の追跡に適する新しいプローブとして、CRの共鳴ラマン散乱を用いることが可能か検討した。CRのラマンスペクトルの1400cm^<-1>付近には、大きい強度を持つダブレット(以下CRダブレットと呼ぶ)が観測される。アルツハイマー病の原因となるアミロイドβペプチド(Aβ)をCR共存下でインキュベーションし、混合溶液のラマンスペクトルを測定すると、Aβのアミロイド形成に伴いCRダブレットの強度比が大きく変化することがわかった。CRの可視吸収は、脂質膜やアミロイド化していないタンパク質と結合しても波長シフトするのに対し、CRダブレットの強度比はこれらとの結合により変化しない。したがって、細胞に結合した状態では、CRの吸収よりもラマン散乱の方がタンパク質のアミロイド形成の追跡に適している。さらに本研究では、CRの同位元素置換を行うことにより、ダブレットの起源を明らかにした。得られた知見と顕微ラマン分光法を組み合わせることにより、細胞膜に結合したタンパク質のアミロイド形成を可視化するためのシステムの構築が可能になる。
|
Research Products
(2 results)