2007 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス・メタボロミクス手法による生体内小分子の新規機能解析
Project/Area Number |
19590034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
眞野 成康 Tohoku University, 病院, 教授 (50323035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菱沼 隆則 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (20199003)
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Keywords | 胆汁酸 / プロテオーム / 結合タンパク質 / アフィニティー抽出 / nanoLC / ESI-MS / MS / リン酸化タンパク質 / ケノデオキシコール酸 / 擬似ニュートラルロス |
Research Abstract |
ケノデオキシコール酸(CDCA)固定化cleavable affinity gelに対して、ラット肝細胞質画分あるいはHepG2細胞由来の細胞質画分を混合し、CDCA結合タンパク質を捕捉した。ゲルを洗浄後、還元剤を用いてジスルフィドリンカーを切断して結合タンパク質を上清中に回収した後、還元アルキル化した全タンパク質を酵素消化した。それらをnanoLC/ESI-MS/MS分析し、結合タンパク質の同定を行うとともに、アフィニティー抽出による各タンパク質の濃縮度をemPAI法を用いて評価した。その結果、胆汁酸と結合することが知られているdihydrodiol dehydrogenaseや、glutathione S-transferaseの他、bile salt sulfotransferaseやbile acid-CoA: amino acid N-acyltransferaseなどの酵素類も捕捉された。そればかりか、リンカー接続部位の異なるゲルを用いて得られた結果を比較することにより、各タンパク質と胆汁酸との結合様式を推測でき、dihydrodiol dehydrogenaseはどちらのゲルでも区別無く濃縮されるのに対し、他のタンパク質は側鎖からリンカーを接続したゲルで効率よく濃縮されることから、それらが胆汁酸のステロイド骨格部分を認識することが明らかとなった。 一方、シグナル伝達解析において重要となるタンパク質のリン酸化修飾解析法につき検討した。その結果、研究代表者らが開発した新規誘導体化試薬を用いることにより、複雑なタンパク質混合物中のセリン、スレオニンのリン酸化修飾部位に定量的に誘導体化試薬を導入することが可能であることが判明した。しかも、研究代表者らが考案した擬似ニュートラルロス法を駆使することで、リン酸化タンパク質を容易に特定でき、さらにリン酸化部位の解析も効率的に行えることが判明した。
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Research Products
(18 results)