2008 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス・メタボロミクス手法による生体内小分子の新規機能解析
Project/Area Number |
19590034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
眞野 成康 Tohoku University, 病院, 教授 (50323035)
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Keywords | 胆汁酸 / 結合タンパク質 / アフィニティー抽出 / ケノデオキシコール酸 / リン酸化タンパク質 / 疑似ニュートラルロス / プロテオーム / ペルナキシレドキシン |
Research Abstract |
ケノデオキシコール酸を固定化したcleavable affinity gelを用いてラット肝細胞質画分およびHepG2細胞由来の細胞質画分中の結合タンパク質を捕捉したところ、胆汁酸結合タンパク質として知られるaldo-keto reductase family member 1やmaleylacetoacetate isomeraseなどの他に、peroxiredoxin-1が効率的に濃縮された。一方で、HeLaS3細胞に胆汁酸を添加したときの変動タンパク質を解析したところ、α-enolaseやperoxiredxin-1の翻訳後修飾の変化を思われるスポットの変動が確認された。前者は解糖系に関与する酵素であり、後者は酸化還元酵素であるが、上記の結果を併せて考えると、胆汁酸による酸化ストレスに、peroxiredoxin-1が密接に関与している可能性が考えられた。 一方、リン酸基のβ-脱離とそれに続くα, β-不飽和ケトンへのチオールのマイケル付加を活用したリン酸化タンパク質の特異的解析法について検討を継続した。その結果、誘導体化部位に特徴的な質量差を用いる疑似ニュートラルロスと、誘導体化部位に導入したプロモ基由来の同位体のスプリットパターンを組み合わせることにより、複雑な混合物中のリン酸化ペプチドを極めて効率的に特定することが可能であり、しかもMS/MS解析によりそのアミノ酸配列をも同時に解析できることが明らかとなった。さらに本法を既知のリン酸化タンパク質の解析に適用し、その有用性を確認した。
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Research Products
(21 results)