2007 Fiscal Year Annual Research Report
脂質二重膜中の膜蛋白合体における分子認識機構を解明するNMR戦略の開発
Project/Area Number |
19590037
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大澤 匡範 The University of Tokyo, 大学院・薬学系研究科, 助教 (60361606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 一夫 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (70196476)
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Keywords | 構造生物学 / NMR / 膜蛋白質 / 相互作用解析 |
Research Abstract |
膜蛋白質は、従来、界面活性剤で可溶化して構造生物学的解析が行われてきたが、界面活性剤による可溶化はしばしば膜蛋白質の失活につながる。そこで、我々の研究室では膜蛋白質をアフィニティービーズに固定化した状態で脂質二重膜中に再構成するBead-linked proteoliposome (BPL)を開発した。BPLとして調製した膜蛋白質複合体における相互作用界面残基は、当研究室で開発した転移交差飽和法により解析可能である。しかし、BPLを用いたNMRによる分子間相互作用解析には固体の共存によるスペクトルの低感度化・低分解能化が問題となっていた。そこで、今回、マジック角回転によるスペクトルの高分解能化を試みた。まず、マジック角回転(MAS)に耐えうる担体として、多孔性シリカビーズを見出した。多孔性シリカは高速回転に対する物理的強度が高いだけでなく、空隙率が80%と非常に高く固・液界面の相互作用解析には適している。次に、ユビキチン(Ub)と酵母Ub水酸化酵素(YUH)の相互作用系において、YUHをヒスチジンタグを介してZn-NTAシリカビーズに固定化し、不均一系超分子を模倣した系を作成した。固定化したYUHは600μMであった。このYUH固定化Zn-NTAシリカビーズを均一^2H^<15>N標識したUbの溶液に懸濁し、MAS条件下で転移交差飽和法の測定を試みたところ、従来法では解析が困難であった固体と液体が共存した超分子系において、Ub上のYUH結合界面残基の同定に成功した。本手法は、膜蛋白質複合体における分子間相互作用解析に適用可能であり、今後、実際に膜蛋白質複合体に適用していく。
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Research Products
(12 results)