2008 Fiscal Year Annual Research Report
癌のレドックス関連マルチ情報取得を目的とした画像解析システム開発のための基礎研究
Project/Area Number |
19590050
|
Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
竹下 啓蔵 Sojo University, 薬学部, 教授 (70175438)
|
Keywords | レドックス / がん / in vivo ESR / 酸素分圧 / ニトロキシルラジカル |
Research Abstract |
1. リチウムフタロシアニン(LiPc)の可溶化を検討したが、溶解と酸素応答性の両立を果たすためには、さらなる研究期間の必要性が予想されたため、今回はLiPcを腫瘍に埋め込む形で対応した。 2. 4種類のニトロキシルプローブのn-オクタノール/PBS (pH7.4)分配係数は、3-carbamoyl-PROXYL (0.42)、3-carboxy-PROXYL (0.0025)、3-methoxycarbonyl-PROXYL (8.15)、および3-hydroxymethyl-PROXYL ( 1.10)であり、3-hydroxymethyl-PROXYLがほどよい組織移行性を示すことが予想された。 3. LiPcの場合磁場勾配0.2mT/cm、掃引幅±0.5mT、ニトロキシルプローブの場合磁場勾配0.5mT/cm、掃引幅±1.25mTでそれぞれ測定することにより別々に3次元画像を得ることができた。さらに、ニトロキシルプローブでは、時系列画像を撮り、個々の腫瘍内の3-4箇所でシグナル強度の一次減少速度定数を求めたところ、腫瘍により部位の差があるものとないものがあり、差がある場合にはがん組織の深さとの関係には一定の傾向がなかった。 4. LiPcの存在する部位でのレドックス状態を評価し、酸素分圧とレドックスとの関係を調べた。腫瘍に埋め込んだLiPcのESRシグナルの線幅からLiPc存在部位での酸素分圧を測定した。続いて、3-hydroxymethyl-PROXYLを投与して得た時系列3次元画像より同部位における消失速度を求めた。酸素分圧とレドックスとの間では相関は見られず、レドックスの違いが酸素分圧のみで決定されるものではないことがわかった。
|
Research Products
(2 results)