2007 Fiscal Year Annual Research Report
肝疾患の発症や治療に関わる硫酸化グリコサミノグリカンの構造及び作用機序の解明
Project/Area Number |
19590052
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山田 修平 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (70240017)
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Keywords | グリコサミノグリカン / コンドロイチン硫酸 / ヘパラン硫酸 / 肝再生 / C型肝炎ウィルス / 細胞増殖因子 / サイトカイン |
Research Abstract |
硫酸化グリコサミノグリカン(GAG)は様々な細胞増殖因子、サイトカイン、モルフォジェンと特異的に相互作用し、それらの活性を調節することによって、機能を発揮する。また、硫酸化GAGは、ウィルス感染の過程においても極めて重要な役割を果たしていることが証明されている。本プロジェクトでは、特に肝臓でのGAGの機能に注目している。平成19年度は以下の実験を行った。 1、再生期間の異なる再生肝よりグリコサミノグリカンを精製し、その構造の特徴、再生過程における構造変化を解析した。また、肝細胞増殖因子など肝再生に関わる増殖因子との相互作用についても解析した。さらに、再生研究のモデル生物であるヒドラのグリコサミノグリカンの構造を初めて明らかにした。 2、様々なグリコサミノグリカンについて、C型肝炎ウィルスの感染への影響を検討した。C型肝炎ウィルスの表面タンパク質のE1、E2タンパク質を昆虫細胞を用いて大量に調製した。C型肝炎ウィルスの感染に影響を及ぼすことが明らかになった高硫酸化コンドロイチン硫酸Eについて、E1、E2タンパク質との相互作用を調べた。 3、コンドロイチン硫酸の解析をより効果的に行うことを目的として、以下の実験を行った。1)複数の抗コンドロイチン硫酸抗体のエピトープをオリゴ糖マイクロアレイの手法を用いて決定した。2)_1HNMRを用いてコンドロイチン硫酸中のウロン酸のタイプを定量する方法を開発した。3)コンドロイチン硫酸中のグルクロン酸3硫酸という稀な構造を検拙、定量する方法を開発した。
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