2008 Fiscal Year Annual Research Report
早老症原因遺伝子産物RecQL4の遺伝子構造安定性維持機構への寄与
Project/Area Number |
19590053
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
多田 周右 Tohoku University, 大学院・薬学研究科, 助教 (00216970)
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Keywords | Rothmund-Thomson症候群 / RecQL4 / 遺伝情報安定性維持機構 / DNA修復 / DNA複製 / DNA組え修復 / 非相同末端結合修復 / ポリADPリボシルポリメラーゼ |
Research Abstract |
本研究では、Rothmund-Thomson症候群の原因遺伝子産物RecQL4の遺伝情報安定性維持への関与について生化学的および細胞生物学的解析を進めることを目的とした。GFP融合RecQL4を発現させた細胞核にレーザーを照射し、特定の領域にDNA損傷を与えたところ、照射部位へのRecQL4の集積が観察された。この集積はDNA二本鎖切断部位二対して起こることが示唆された。RecQL4はポリADPリボシルポリメラーゼ(Parp)-1と相互作用することが知られているため、RecQL4も同様にParp-1に依存してレーザー照射部位に集積しているのかを検討したところ、Parpの阻害剤で処理した細胞ではレーザー照射部位今のRecQL4の集積が抑制された。さらにPare-1欠損細胞を用いた場合にも、同様の結果が得られたため、RecQL4はParp-1依存的にレーザー照射部位へ集積すると考えられた。また、このRecQL4のDNA損傷部位への集積にはN末側の領域が重要な役割を果たすことが示唆された。次に、質量分析を用いてRecQL4と相互作用するタンパク質の同定を試みた。Flagタグを融合させたRecQL4を安定に発現するヒト293細胞を樹立し、細胞抽出液より抗Flag抗体による免疫沈降をおこなったときの沈降画分に含まれるタンパク質を、質量分析計を用いて分析した。その結果、紫外線損傷修復因子であるDDB1などのDNA損傷応答関連タンパク質、タンパク質脱アセチル化酵素SIRT1の他、様々なユビキチンリガーゼ(E3)やSUMO E3リガーゼがRecQL4と相互作用することが見出された。したがって、ユビキチン化やSUMO化などの修飾がRecQL4の機能を制御している可能性が考えられた。
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Research Products
(18 results)