2008 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息治療におけるパラドックス解明のための基礎研究
Project/Area Number |
19590055
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
齊藤 真也 University of Shizuoka, 薬学部, 准教授 (80271849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中畑 則道 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (60045804)
山国 徹 東北大学, 大学院・薬学研究科, 准教授 (30333793)
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Keywords | ホスホジエステラーゼ / 平滑筋収縮 / プロスタノイド / VDCC / カチオンチャネル / アラキドン酸 |
Research Abstract |
天然界は様々な生理活性物質を供与してきた。現在薬理学的ツールとして用いられている多くの阻害薬は天然化合物あるいはその合成誘導体である。我々は天然化合物stylopineが電位依存性Ca^<2+>チャネル(VDCC)を介して気道平滑筋を収縮させるものの、その作用は直接的ではなく、内因性のプロスタノイドに依存していることを見出した。しかし高濃度プロスタノイド刺激による平滑筋細胞内情報伝達経路の解析が進んでいるのに対して、低濃度刺激による応答の解析は十分になされているとは言い難い。そこでまず低濃度プロスタノイドと高濃度プロスタノイドにおける細胞内情報伝達経路の差異をTP受容体アゴニストであるU46619を用いて検討した。その結果、高濃度の場合と異なり、低濃度ではVDCCが活性化して、これに強く収縮が依存していることが明らかとなった。またVDCCの活性化にはホスホリパーゼA_2の活性化に伴って産生されるアラキドン酸の、代謝産物ではなくそれ自身、もしくは共産生物であるリゾリン脂質によるカチオンチャネルの活性化が関与していることも見出した。このことから、低濃度プロスタノイドによるGq結合型受容体刺激によって脱分極を介してVDCCが活性化し、これをstylopineが増強することで収縮を引き起こすことが仮説として提示された。現在この仮説の検証を行っている。
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