2007 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラ動態制御に関わるリン酸化シグナルを介した細胞分裂制御機構の研究
Project/Area Number |
19590058
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中山 祐治 Chiba University, 大学院・薬学研究院, 講師 (10280918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 直人 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (00166620)
福本 泰典 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (10447310)
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Keywords | 細胞分裂 / チロシンリン酸化 / 細胞内オルガネラ / Src型チロシンキナーゼ |
Research Abstract |
本年度は,細胞質分裂時のミッドボディー(細胞質分裂に関与する重要な細胞内小器官)の動態に着目し,チロシンリン酸化による細胞分裂の制御機構について解明を試みた。本年度明らかにしたことは,以下の通りである。 1.PP2,Cskキナーゼによる細胞質分裂の阻害:Src型チロシンキナーゼ阻害剤であるPP2処理,あるいは,Src型チロシンキナーゼのコンフォメーション変化によりSrc型チロシンキナーゼを不活性化するCskの過剰発現を行い,Src型チロシンキナーゼの活性がミッドボディーの動態に与える影響を調べた。その結果,Src型チロシンキナーゼの活性阻害により細胞質分裂の最後のステップである,abscissionが阻害された。 2.ミッドボディーにおけるチロシンリン酸化の局在:培養細胞をパラホルムアルデヒドで固定し,抗チロシンリン酸化抗体で免疫染色したが,ミッドボディーにチロシンリン酸化タンパク質の局在は認められなかった。しかし,細胞を固定する前に,saponinあるいはTritonX-100などの界面活性剤で細胞を処理すると,ミッドボディー上にチロシンリン酸化タンパク質の局在が観察された。 3.チロシンリン酸化タンパク質のミッドボディー局在におけるSrc型チロシンキナーゼの役割:PP2処理あるいはCskの過剰発現によりミッドボディー上におけるチロシンリン酸化局在が阻害された。同調した細胞実験系において,細胞質分裂がおきるよりも前の段階(metaphaseあるいはanaphase)でSrc型チロシンキナーゼが機能していることを明らかとした。 これらの結果より,細胞質分裂においてミッドボディーにはSrc型チロシンキナーゼの活性に依存してチロシンリン酸化タンパク質が局在し,細胞質分裂の完了に関与していることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)