2007 Fiscal Year Annual Research Report
オルガネラ異常を引き起こす線虫ABC輸送体の生理能機能の研究
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19590066
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大橋 綾子 (小林 綾子) Iwate Medical University, 薬学部, 教授 (90272484)
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Keywords | トランスポーター / オルガネラ / 生理機能 / 線虫 |
Research Abstract |
「線虫細胞内ペプチド輸送体による腸細胞内のペプチド動態の解明」、更に「腸内顆粒の形成・機能・調節機構と輸送体の関連の解明」を目的とした研究により、平成19年度は線虫腸内顆粒形成に関するABC輸送体膜蛋白HAF-4の輸送体としての機能を中心に解析し、以下の成果を得た。 (1)線虫HAF-4局在顆粒の形成における輸送活性の必要性の検討 haf-4欠損変異体において見出した腸内顆粒の消失は、GFP融合型HAF-4(HAF-4::GFPと表記する)の過剰発現により回復する。線虫HAF-4のWalkerA配列内のアミノ酸残基を変異させ輸送活性能を消失したHAF-4(K539M)::GFPの線虫発現ベクターを作成し、変異体へ導入した場合の腸肉顆粒の状態を観察した。その結果、顆粒の形成には輸送活性が必要であることが明らかとなった。 (2)HAF-4局在する腸内顆粒の解析-1 オルガネラマーカーとの比較 未だ十分に解析されていない線虫の腸内顆粒の分類を行った。HAF-4::GFPの局在する腸内顆粒と、各種蛍光蛋白融合型オルガネラマーカー蛋白との共局在、もしくオルガネラ染色色素との局在の比較を蛍光顕微鏡下で観察した。その結果、HAF-4の局在する腸内顆粒は、線虫のLAMPホモログLMP-1と共局在するが、酸性オルガネラを染色するアクリジンオレンジでは染色されない、非酸性顆粒であることが明らかとなった。 (3)HAF-4局在する腸内顆粒の解析-2 電子顕微鏡によるオルガネラ観察 haf-4欠損変異線虫の腸細胞内オルガネラについて、腸内顆粒の異常に至るまでにどのような細胞内の変化が生じているのかを詳細に検討するため、透過型電子顕微鏡による細胞内微細構造の観察の予備実験を行った。幾つかの切片作成までのプロトコールの中から腸内顆粒の形状が比較的よく保持される条件を見いだした。
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Research Products
(5 results)