2007 Fiscal Year Annual Research Report
脳発達に伴うGIRKチャネル機能の変化、ストレスの影響とGIRK抑制薬の作用
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19590069
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
白崎 哲哉 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (30264047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高濱 和夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (80150548)
副田 二三夫 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (10336216)
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Keywords | GIRKチャネル / クロペラスチン / ピコペリダミン / テルフェナジン / パッチクランプ / アフリカツメガエル / 卵母細胞 / マイクロダイアリシス |
Research Abstract |
GIRKチャネル機能の変化を調べるにあたり、まずGIKRチャネル活性化電流を抑制する薬物がGIRKチャネルに直接作用しているか否かを明確にする必要がある。そこで、中枢神経に広く分布するGIRK1/2ヘテロ四量体をアフリカツメガエルの卵母細胞に発現させ、クロペラスチン、ピコペリダミンおよびテルフェナジンの作用を検討した。GIRK1/2のみを発現させた卵母細胞において、高濃度K^+およびエタノールにより誘発される電流がGIRKチャネルを介することを電気生理学的、薬理学的に確認した。上記薬物は、GIRK1/2に直接作用し、高K^+誘発電流とエタノール誘発電流を可逆的に抑制した。この時、クロペラスチンの50%抑制濃度は、1.85×10^<-5>Mと4.43×10^<-6>Mで、Hill係数は、0.80と1.10であった。抑制作用の強さは、薬物投与前の電流振幅には依存しなかった。また、ピコペリダミンとテルフェナジンは、心毒性を持つことから、GIRK1/4に対する作用も調べた。その結果、これらはGIRK1/4も直接抑制したが、GIRK1/4に特異的である可能性は得られなかった。さらに、マイクロダイアリシス法にて、GIRKチャネル活性化電流をほぼ完全に抑制する10^<-5>Mのクロペラスチンを透析プローブから内側前頭前野に直接局所的に投与してもセロトニンおよびドパミンの濃度を増加させることが明らかとなった。本知見は、今後GIRKチャネルの機能変化を調べていく上での重要な指標になると考えられる。
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