2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期チェックポイントで増大する核内受容体CARの発現制御機構とその役割の解明
Project/Area Number |
19590070
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
菅谷 純子 University of Shizuoka, 薬学部, 教授 (30098131)
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Keywords | 核内受容体 / CAR / 転写調節 / 血清飢餓ストレス / Elk |
Research Abstract |
核内受容体CARは、CYP2B、UGT1A1等の薬物代謝酵素/トランスポーター遺伝子転写に中心的役割を演じている細胞内因子である。我々はCARの検出が困難であると報告されている培養細胞を用い、CARの検出を試み、無血清培地下、細胞分裂停止G1期とした細胞ではCARの発現レベルが亢進することを見いだしている。本研究では血清飢餓ストレスによるCARの発現誘導機構について解析した。ヒト肝癌由来HepG2細胞を血清無添加培地で生育し、CAR発現レベルに及ぼす各種阻害剤の効果をリアルタイムPCR、ウェスタンブロッティング法を用いて解析した。さらにCAR構造遺伝子5'上流12kbpのDNA断片を調製し、ルシフェラーゼ遺伝子5'上流に組み込み、レポーター活性を検討した。 その結果、血清無添加培地で生育させG1期に同調させたHepG2細胞において、CAR mRNA、蛋白質発現レベルの増大が認められ、EGFを添加すると発現の亢進が抑制された。ERK阻害剤U0126、PI3-kinase阻害剤LY204002存在下ではCARの発現の亢進が増強され、ERKならびにPI3-kinase情報伝達系がCARの発現に抑制的に作用していることが示された。SAPK阻害剤SP600125が血清無添加培地で生育した細胞におけるCARの発現を抑制したことから、血清飢餓ストレスによるCARの発現誘導にETSファミーリーの関与が強く推察された。このETSファミーリーと相互作用するCARプロモーター領域を解明する為、CAR構造遺伝子5'上流12kbpのDNA断片を用いたレポーターアッセイで解析した結果、CAR構造遺伝子5'上流0.2kbpに最も強い活性が認められた。このDNA断片に変異を導入するとElkによる転写活性が消失したことから、GRやHNF4結合部位とは異なる血清飢餓ストレスによるElkを介した新規な応答エレメントであることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)