2007 Fiscal Year Annual Research Report
泡沫細胞崩壊(アポトーシス)による粥状動脈硬化進展機構の解析
Project/Area Number |
19590079
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
高野 達哉 Teikyo University, 薬学部, 教授 (40124995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 光一 帝京大学, 薬学部, 准教授 (90251438)
山口 真二 帝京大学, 薬学部, 助教 (60398740)
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Keywords | 粥状動脈硬化 / マクロファージ / 泡沫細胞 / 酸化リポタンパク質 / アポトーシス |
Research Abstract |
リポタンパク質のコレステロールは動脈壁細胞膜の構成成分として利用されている。マクロファージは動脈壁に流入してくる過剰のリポタンパク質ならびに変性リポタンパク質を細胞内に取り込み泡沫化する。肥大化した泡沫細胞は動脈壁内で崩壊し、変性リポタンパク質が細胞間に放出されるにともない、粥腫が形成される(作業仮説)。本研究では、高脂血漿-泡沫細胞の形成-泡沫細胞の崩壊-動脈硬化粥腫巣への変性リポタンパク質の放出・細胞間酸化リポタンパク質の生成-変性リポタンパク質の細胞内取り込み一泡沫細胞のさらなる肥大化と崩壊一粥状動脈硬化進展という悪循環の観点から解析を試みた。その結果、試験管内で先天性高脂血症家兎(WHHL)血清をマクロファージに加えると、泡沫化が誘導されると同時に、泡沫細胞の崩壊も誘導される。しかも、ヒト高脂血症患者血清でも、12症例中6症例で泡沫細胞誘導・崩壊が観察された。このことは、WHHL血清、ヒト血清ともに泡沫細胞の崩壊を誘導する因子を含んでいることを示している。血清中から分離したLDLやVLDLなどは、泡沫化は誘導するが、泡沫細胞の崩壊をほとんど誘導しない。したがって、高脂血症患者血清中から、泡沫細胞誘導・崩壊因子を精製しようと試みている。興味深いことに、これまでに、血清中に含まれる泡沫細胞崩壊活性は、硫安沈殿、カラムクロマトグラフィーによりうまく分離されず、様々な画分に広く検出され、タンパク性の因子が担っていない可能性が考えられた。泡沫細胞崩壊活性を担う実体については、まだ不明であり現在解析中である。また、同時に泡沫細胞の崩壊機構のメカニズムはアポトーシスによるのではないかと考え、解析をおこなっている。
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Research Products
(5 results)