2008 Fiscal Year Annual Research Report
泡沫細胞崩壊(アポトーシス)による粥状動脈硬化進展機構の解析
Project/Area Number |
19590079
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
山口 真二 Teikyo University, 薬学部, 助教 (60398740)
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Keywords | 粥状動脈硬化 / マクロファージ / 泡沫細胞 / 酸化リポタンパク質 / ニワトリ / アポトーシス |
Research Abstract |
本研究では、高脂血漿-泡沫細胞の形成-泡沫細胞の崩壊-動脈硬化粥腫巣への変性リポタンパク質の放出・細胞間酸化リポタンパク質の生成-変性リポタンパク質の細胞内取り込み-泡沫細胞のさらなる肥大化と崩壊-粥状動脈硬化進展という悪循環の観点から解析を試みた。 その結果、試験管内で先天性高脂血症家兎(WHHL)血清をマクロファージに加えると、泡沫化が誘導されると同時に、泡沫細胞の崩壊も誘導される。しかも、ヒト高脂血症患者血清でも、12症例中6症例で泡沫細胞誘導・崩壊が観察された。しかし、分離したLDLやVLDLなどは、泡沫化は誘導するが、泡沫細胞の崩壊をほとんど誘導しない。高脂血症患者血清中に存在する泡沫細胞誘導・崩壊因子についてははまだ不明であり、現在解析中である。 次に泡沫細胞の崩壊機構を探ることとした。泡沫細胞の崩壊には256C抗体が認識する抗原物質(cholesterol-phospholipid複合体)の増加が関連しているらしい。崩壊泡沫細胞は256C抗体で組織染色されるばかりではなく、フィリピン(free cholesterol を染色)でも染色されるようになる。実際、 free cholesterol量の定量を試みると、崩壊前に増加していることが分かる。泡沫細胞の崩壊を誘導しないLDLやVLDLなどではcholesterol-phospholipid複合体は増加しない。この時、 tunnelによっても染色されることからアポトーシスにより細胞死が誘導されていると結論した。
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