2007 Fiscal Year Annual Research Report
細胞表面シャトルタンパク質ヌクレオリンの死細胞除去機能および新機能の解明
Project/Area Number |
19590080
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
別府 正敏 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 教授 (60114633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 和也 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (80251221)
三木 雄一 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (20366420)
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Keywords | ヌクレオリン / アポトーシス / マクロファージ / ミクログリア / スカベンジャーレセプター / 酸化ストレス / 糖鎖認識 |
Research Abstract |
本研究では、マクロファージ細胞表面のタンパク質ヌクレオリンがアポトーシス初期の死細胞をその細胞表面糖鎖を介して認識し貪食除去するというこれまでの知見を踏まえて、以下の検討を行った。 1.マクロファージ細胞表面ヌクレオリンの発現と細胞表面での存在様式、2.ヌクレオリンの死細胞認識機能、糖鎖認識機能の解析、3.脳ミクログリア細胞表面におけるヌクレオリン発現の調査、および脳ミクログリアのアポトーシス細胞認識機構の解析。その結果、1.ヌクレオリンは単球・マクロファージ系細胞のみならず、他の細胞表面にも存在する場合があることが判明し、いずれの細胞系においても何らかの細胞膜タンパク質に結合して存在していることが示唆された。2.また、ヌクレオリンは各種の酸性多糖に結合性を有することが表面プラズモン共鳴法(SPR法)による結合実験により明らかとなった。3.さらに、脳神経系におけるマクロファージに相当するミクログリア細胞を用いて、その表面におけるヌクレオリンの存在を検討したところ、この表面にも存在すること、また、その表面ヌクレオリンを介してアポトーシス細胞がミクログリアによって糖鎖依存的に認識され、貪食除去されることを見出した。 一方、マクロファージ表面ヌクレオリンの新たな機能として、スカベンジャーレセプターの機能を有する可能性につき、ヌクレオリンの各種リコンビナント体を用いてSPR法の無細胞系で検討したところ、スカベンジャーレセプターリガンドとして知られる各種のポリアニオンや化学修飾タンパク質、化学修飾LDLなどに結合性を有することが判明し、スカベンジャーレセプター機能があることが判明した。単球やマクロファージを用いた細胞実験でも、既存の各種スカベンジャーレセプターとともにヌクレオリンがスカベンジャーレセプターとして機能していることが確認された。
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Research Products
(5 results)