2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590081
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
新槇 幸彦 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 薬学部, 教授 (90138959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 洋一 東京薬科大学, 薬学部, 准教授 (50286978)
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Keywords | CpG-ODN / アジュバント / 粘膜免疫 / IL-12 / IgA |
Research Abstract |
核酸医薬として期待されるCpG-ODNはマクロファージや樹状細胞から強力にIL-12を産生誘導すること,またIL-12が粘膜免疫のアジュバントとして有用であることが報告されていることから,CpG-ODNを粘膜免疫アジュバントに応用することを企図した.脂質組成の異なる2種類の正電荷リポソームにモデル抗原であるOVAとCpG-ODNを封入し,マウス鼻腔に投与し,鼻咽頭関連リンパ組織(NALT)におけるIL-12mRNAおよび粘膜免疫活性化の指標である抗原特異的IgAレベルを測定したところ,DOTAP/cholesterolからなるリポソームを用いた場合,NALTにおける有意に高いL-12発現と鼻腔洗浄液中へのIgAの分泌が観察された.一方,DOTAP/DC-cholesterolを脂質組成とするリポソームを用いた場合,有意に高いIgA産生は観察されたものの,IL-12の発現は低値であり,粘膜免疫賦活化へのIL-12の関与が疑問視された.粘膜でのTGF-βは,IgAへの抗体クラススイッチに関与し,一方,IL-6は,B細胞の形質細胞への分化・増殖に関与していることが報告されている.そこで,リポソームに封入したCpG-ODN投与後のNALT単核球細胞回収上清中における両サイトカインレベルを測定したところ,いずれのリポソーム投与群で有意に高いIL-6の産生が認められた.これらの知見から,CpG-DOTAP/cholやCpG-DOTAP/DC-cholに封入したCpG-ODNの鼻腔内投与による粘膜免疫の賦活化にIL-12の関与は低く,IL-6産生の増強が,IgA産生の誘導に深く関わっていることが示唆された.
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