2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌におけるサイクリンD1によるヘキソキナーゼ2制御機構の解析
Project/Area Number |
19590087
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
酒巻 利行 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 薬学部, 准教授 (00445892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 浩二 新潟薬科大学, 薬学部, 助教 (10445893)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、乳癌におけるCyclin D1の働きの詳細を解明することである。具体的には、(1)Cyclin D1がHKIIのプロモーター活性を抑制するメカニズムとは何か、(2)Cyclin D1のHKII発現抑制作用は、乳癌の癌化及び悪性化にどのような働きを持つのか、という2つの研究課題を設定し、解析を行っている。課題(1)については、ヒト乳癌細胞株SKBR-3及びMDA-MB-453にCyclin D1のsiRNAを導入し、HKIIプロモーターの活性状況を解析するという研究計画に従い、現在までに、Cyclin D1の発現抑制効果の高いsiRNAを選定し、上記2種の細胞株に効率的にsiRNAをトランスフェクションする方法を検討し、ウエスタンブロット解析においてsiRNAの導入72時間後に80%以上のCyclin D1の発現抑制を示すデータを得ている。それと同時に、発現抑制効果の高いsiRNAをレトロウイルスベクターに組み込み、それを上記2種の細胞株にウイルス感染法により導入し、Cyclin D1 siRNAの安定発現株を樹立した。研究課題(2)については、ヒト乳腺上皮細胞株MCF10Aに、Cyclin D1及びHKIIを単独にあるいは同時に過剰発現させた際の細胞の癌化あるいは悪性化の状況を解析するという研究計画に従い、現在までに、正常乳腺細胞からRT-PCRによりCyclin D1及びHKIIのcDNAを得て、それらをレトロウイルスベクターに組み込んだものをそれぞれ作製し、シークエンス確認後、ヒト胎児腎臓細胞株HEK293T細胞にトランスフェクションし、ウエスタンブロット解析によりCyclin D1及びHKIIが過剰発現することを確認した。MCF10A細胞に、ウイルス感染法によりCyclin D1及びHKIIを導入した安定発現株を樹立し、現在、これらの細胞株の形質解析を行っている。
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