2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌におけるサイクリンD1によるヘキソキナーゼ2制御機構の解析
Project/Area Number |
19590087
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Research Institution | Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences |
Principal Investigator |
酒巻 利行 Nigata University of Phermacy and Applied Life Sciences, 薬学部, 准教授 (00445892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 浩二 新潟薬科大学, 薬学部, 助教 (10445893)
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Keywords | 遺伝子 / 癌 / 細胞・組織 / シグナル伝達 / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究の目的は、乳癌におけるCyclin Dlの働きの詳細を解明することである。具体的には、次の2つの研究課題、(1)Cyclin DlがHK IIのプロモーター活性を抑制するメカニズムとは何か、(2)Cyclin DlのHK II発現抑制作用は、乳癌の癌化及び悪性化にどのような働きを持つのか、を設定し解析を行った。(1)に関しては、ヒト乳癌細胞株SKBR-3及びMDA-MB-453にCyclin DlのsiRNAを導入した安定発現株の樹立に成功し、さらにヒト乳腺上皮細胞株MCF10A細胞にCyclin Dlを過剰発現させた安定発現株の樹立にも成功した。これらの安定発現株を用いて、DNAメチル基転移酵素の発現やHK IIを含む複数の遺伝子のプロモーターのメチル化状況の解析を行った。その結果、Cyclin Dlの発現量の違いにより、DNAメチル基転移酵素の発現量が変化する可能性が示唆された。また、HK IIを含む複数の遺伝子のプロモーターのメチル化状況については、現在、得られた結果の統計的な解析を行っているところである。(2)に関しては、ヒト乳腺上皮細胞株MCF10A細胞に、Cyclin Dl及びHK IIを単独に過剰発現させた細胞とCyclin DlとHK IIの両方を過剰発現させた安定発現株を樹立し、これらの安定発現株を用いて、in vitroにおける細胞形質の比較結果を集積している状況である。ここで得られた結果については、Cyclin DlやHK IIのsiRNAを導入した際にこれらの過剰発現株の細胞が獲得した形質が失われるかどうかの確認も行っている。今後は、in vivoにおける細胞増殖性等を比較する目的で、ヌードマウスを用いたxenograft実験等を行っていく予定である。
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Research Products
(2 results)