2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590103
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
池田 潔 University of Shizuoka, 薬学部, 准教授 (40168125)
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Keywords | シアル酸 / パラインフルエンザ / シアリダーゼ阻害剤 |
Research Abstract |
ヒトパラインフルエンザウイルス(hPIV)は小児にしばしば重篤な気管支炎や肺炎を引き起こすが、有効な治療薬はない。1.申請者は薗頭反応を鍵反応としてシアル酸の4-ο-プロパルギル基へ種々のヘテロアリール基の導入を行った結果、α-4-ο-2-チエニルシアル酸誘導体に強いhPIV-1阻害活性(IC_<50>=1.2μM)が認められた。構造活性相関を検討する目的でβ-4-ο-2-チエニルシアル誘導体を合成し、そのhPIV-1阻害活性を調べた。その結果、β-4-ο-2-チエニルシアル誘導体のIC_<50>は1.lmMであり、hPIV-1は4位置換基の立体配置を厳密に認識しており、hPIV-1阻害活性の発現にはα-4-ο-2-チエニル構造が重要であることを明らかにした。2.シアル酸の4-ο-チオカルバモイルアルキル基の炭素鎖長のhPIV-1阻害活性に及ぼす影響を調べた。その結果、活性の強さは4-ο-チオカルバモイルアルキル基のアルキル基の長さがメチル基(IC_<50>=9μM)>エチル基(IC_<50>=68μM)>プロピル基(IC_<50>=102μM)の順であることが分かった。3.4-ο-プロパルギル基をもつシアル酸誘導体にmulticomponent reaction(MCR)を適用して、銅触媒の存在下、アルキルあるいはアリールアジドを反応させることにより、生物活性が期待される1,4-トリアゾール誘導体あるいは多彩な置換基をもつアミジン誘導体の合成に成功した。
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