2007 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイド受容体リガンドにおける作動薬および拮抗薬の結合部位の解明
Project/Area Number |
19590105
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長瀬 博 Kitasato University, 薬学部, 教授 (70383651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 勉 星薬科大学, 薬学部, 教授 (90130757)
藤井 秀明 北里大学, 薬学部, 講師 (30458757)
根本 徹 北里大学, 薬学部, 助教 (40458766)
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Keywords | 医薬分子設計 / 生物活性物質 / オピオイド / 作動薬 / 拮抗薬 |
Research Abstract |
代表的なオピオイドであるモルヒネはオピオイド作動薬であるが、その17-N-メチル基をシクロプロピルメチル基やアリル基に置換すると拮抗薬になり、それ以上大きな基、すなわち、フェネチル基に置換すると不思議なことに作動薬となる。本研究目的として、我々はこの17位の置換基の配向性が作動活性、拮抗活性の決定に大きな決め手となると考え、μ拮抗薬であるナルトレキソンおよびμ作動薬であるノルオキシコドンを原料にし、この仮説を検証すべく研究を推進している。 まず、ナルトレキソンの窒素置換基を変換することとしたが、ナルトレキソンの17位窒素は14位水酸基との分子内水素結合の影響により、その変換は容易ではない。変換法を種々検討した結果、17位窒素の分子内保護法、N-シクロプロピルメチル基のN-イソブチル体への直接変換法などを見いだした。次に、ナルトレキソンの窒素置換基をシクロプロピル基からアリル基、ベンジル基、フェネチル基に変換した化合物を合成し、各化合物の窒素置換基とフェニル基の間のNOEを測定した。その結果、N-シクロプロピルメチル基とベンジル位のメチレン及びN-フェネチル基とベンゼン環の間にNOEが観察されたが、その他の置換基の場合にはNOEは観察されず、N-イソブチル基、N-アリル基及びN-ベンジル基はエカトリアル方向に存在し、N-シクロプロピルメチル基、N-フェネチル基はアキシアル方向(α側)に存在していることが示唆された。また、これらの化合物は、結合試験においてオピオイド受容体結合能が確認され、N-フェネチル体に関しては作動活性が確認された。
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Research Products
(3 results)