2008 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイド受容体リガンドにおける作動薬および拮抗薬の結合部位の解明
Project/Area Number |
19590105
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
長瀬 博 Kitasato University, 薬学部, 教授 (70383651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 秀明 北里大学, 薬学部, 講師 (30458757)
根本 徹 北里大学, 薬学部, 助教 (40458766)
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Keywords | 医薬分子設計 / 生物活性物質 / オピオイド / 作動薬 / 拮抗薬 |
Research Abstract |
本研究は、ナルトレキソンの17位の置換基の配向性が作動活性、拮抗活性の決定に大きな決め手となると考え、μ拮抗薬であるナルトレキソンおよびμ作動薬であるノルオキシコドンを原料にし、この仮説を検証すべく研究を推進した。まず、昨年度の結果を受けて、新たに作動活性、拮抗活性を検討する前に、17位の最適な置換基の配向性と受容体結合の関係について調べることとした。 ナルトレキソンの14位水酸基と17位窒素置換基を分子内で結合し、窒素のローンペアがエカトリアル側に固定された誘導体を合成したが、受容体結合能は弱いものであった。ナルトレキソンは窒素のローンペアがアキシアル側に出ているが、結合力は非常に強い。また、ナルトレキソンの15位、16位炭素を除去した新規骨格において、窒素のローンペアが16位側にでる化合物の受容体結合は弱かった。つまり、17位窒素のローンペアの向きにより受容体結合性が大きく異なることが示唆される。 一方、ナルトレキソンの15位、16位炭素を除去した骨格の14-H誘導体(2)の窒素置換基を変換したところ、電子供与性の高い順に結合力が強いという結果が得られた。また、17-フッ化アルキル置換ナルトレキソン誘導体の活性を評価したところ、フッ素が多いほど受容体に結合しづらくなった。よって、窒素置換基の電子供与性が大きいほど結合力が強くなり、電子吸引性が大きいほど結合力が弱くなる、つまり窒素上の電子密度により結合力がコントロールできることが確認された。加えて、誘導体2は自由回転可能なため、結合力が弱まっている可能性が考えられたため、14-OH体とし、窒素と水素結合させて窒素置換基をより固定させた化合物を合成したところ、結合力が強まる結果が得られた。得られた化合物の詳細な活性を調べることで、17位置換基の配向性が、結合力に加えて、作動活性、拮抗活性に与える影響が明らかになることが期待される。
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Research Products
(9 results)