2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590107
|
Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大場 基 Showa University, 腫瘍分子生物学研究所, 講師 (70297018)
|
Keywords | PKC / 再生医療 / 分子標的薬 / 毛髪 |
Research Abstract |
protein kinase C eta(PKCeta)は、著しい発毛促進能を持つ上皮組織特異的なCキナーゼである。毛包を含む皮膚組織には5種類のPKC分子種が発現しているが、この中でPKCetaのみが発毛の促進に関与している。本研究は、PKCetaを分子標的とした発毛促進・再生薬の発見・開発を最終目的とする。今年度は1)PKCetaに特異的な既知活性化脂質の皮膚内導入法の検討、2)PKCetaによる毛周期誘導の分子メカニズムの解析を行った。 既知活性化脂質コレステロール硫酸は、粘性・溶解性等の要因により、容易に表皮角化層を通過しない。そこで皮膚特異的ナノ粒子に包含し、皮膚内への導入を試みた。2種類の異なる製法によるナノ粒子・カプセルを用いて皮膚内導入を試みたが、共に有効に皮膚内に浸透することはなく、発毛も誘導されなかった。 PKCetaトランスジェニックマウスの解析を通じて、PKCetaによる発毛促進作用の分子機構を解析した。その結果、PKCetaの過剰発現細胞より、HB-EGF,GM-CSF,TGFalpha等の成長因子・サイトカインが分泌され、ケラチノサイトの増殖を促進していること、毛包基部にFGF2の発現を誘導すること、またそれらの上昇は、p38MAPkinaseの活性化を介したものであることが示された。今後さらに分子機構の解析を進め、毛髪再生のメカニズムを明らかにしたい。
|