2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590108
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
夏苅 英昭 Teikyo University, 薬学部, 教授 (00334334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 英嗣 帝京大学, 薬学部, 助手 (80445634)
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Keywords | キラリティー / 軸不斉 / 立体化学 / 立体配座異性体 / ジベンゾアゼピン骨格 / アルツハイマー病治療薬 / γ-セクレターゼ阻害薬 / LY-411575 |
Research Abstract |
軸不斉を有する生物活性物質の報告自体多くはない(注目されていない>が、さらに立体配座の変化により生じるキラリティー(動的キラリティー)が生物活性に及ぼす影響に関する研究は限られている。本研究では創薬シード創出のためにそれらについて考察している。 本年度は特に、アルツハイマー病(AD)治療薬として期待されるγ-セクレターゼ阻害薬(LY-411575:Lilly 社)((IC_<50>=73pM)の立体化学構造について検討した。LY-411575のジベンゾアゼピン骨格はビアリール部分およびベンゾアニリド部分に基づく2個のsp^2-sp^2軸不斉構造を持っために、複雑な立体配座異性体が理論的には存在する。その立体化学についての報告は無いが、ジベンゾァゼピン骨格は特定な形に固定され、その結果生じるキラルな化合物(この場合には他に不斉中心が存在するので、一つのジアステレオマー)が生物活性の発現に寄与していると想定した。今回、ジベンゾアゼピン骨格に置換基を導入し、立体障害を大きくした化合物を合成した。合成化合物ではsp^2-sp^2軸における回転障壁が高まり、これらの軸不斉異性体を比較的安定に得ることができた。これらを用いて、ジベンゾアゼピン骨格の立体化学、熱力学的安定性など基礎的な性質を明らかにした。また、立体異性体のγ-セクレターゼ阻害活性(東京大学大学院薬学系研究科・岩坪威教授と共同)を調べることにより、生物活性発現に必要な立体化学を明らかにした。 以上の知見をもとに、医薬品シードの創製が期待される新たな基本母格について研究をさらに展開している。
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Research Products
(11 results)