2008 Fiscal Year Annual Research Report
DDSを指向したヒストン脱アセチル化酵素阻害剤の創生
Project/Area Number |
19590110
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
長岡 康夫 Kansai University, 化学生命工学部, 准教授 (90243039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 喜之 星薬科大学, 薬学部, 講師 (90350222)
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Keywords | ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / 遺伝子ベクター / ナノパーティクル / リポソーム / 抗がん剤 / HDAC / DDS / プロドラッグ |
Research Abstract |
本研究課題の最終年度である本年は、研究目的であるDDSを指向したヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACI)の創生を完成すべく、種々の構造のHDACIプロドラッグを設計し、その合成を行った。今年度新たに合成した化合物と、昨年度までに、すでに合成している化合物について、それぞれの目的に即した製剤化を行い、その性能を調べた。すなわち、昨年度合成した化合物については、市販のリポフェクション試薬の遺伝子導入・発現効率に対する効果を調べ、3種類の化合物に顕著な促進効果が認められることを明らかにした。本年度合成した化合物については、昨年度合成した化合物では不可能であったリポソーム製剤化が可能であることを明らかにした。本リポソーム製剤はプロドラッグの基質であるHDACIが本来有するがん細胞に対する細胞毒性を示し、製剤化によるHDACIの代謝安定化も期待できる。本製剤は今後DDS化抗がん剤の開発に繋げていく予定である。また、本年度はリン脂質とポリエチレングリコール(PEG)鎖をHDACIに結合させた、一連の新規化合物を合成し、この化合物を含むPEGで覆われたリポソーム製剤を作成することに成功した。今後この製剤のステルス化リポソームとしての機能を検討すると共に、広くDDS製剤としての可能性を追求していく所存である。 本研究により創生されたHDACIプロドラッグは今後、遺伝子導入・発現増強作用や抗がん作用を有するDDS製剤などとしての活用が期待できることから、本年度、これらの化合物を特許出願した。
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