2007 Fiscal Year Annual Research Report
サラシノールをシードとする新規スルホニウム塩型食後過血糖改善剤の合成と活性評価
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19590111
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
田邉 元三 Kinki University, 薬学部, 准教授 (40217104)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
峯松 敏江 近畿大学, 薬学部, 助手 (60088151)
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Keywords | salacinol / Salacia reticulata / 糖尿病治療薬 / α-グルコシダーゼ阻害剤 / スルホニウム硫酸分子内塩 / 環状硫酸エステル / カップリング反応 / チオ糖 |
Research Abstract |
報告者らがインドやスリランカの伝承医学,アーユル・ヴェーダで糖尿病の治療薬物Salacia reticulataから単離した強力なα-グルコシダーゼ阻害作用を示す成分,salacinol(1)[Tetrahedron Lett.,8367(1997)]は,5員環チオ糖スルホニウム部とそのスルホニウム上に硫酸エステル構造をもつエリスリトール側鎖を備える新奇な構造を有する.α-グルコシダーゼ阻害活性発現には1の水酸基の立体化学が大きくかかわることが示唆されている.今回,1をリード化合物とした新規食後過血糖改善剤の合成研究の一環として,1のチオ糖部のC_2-C_3結合を開裂した化合物1aおよびそのエナンチオマー1b,さらに,これらのアザ類縁体2a,2bの合成を検討した.まず,それに必要となるD-およびL-エリスリトールの環状硫酸エステル(D-3,L-3)を報告者らの合成条件[Bioorg.Med.Chem.,15,3926(2007)]に従って高収率で合成した。次に,硫酸エステルL-3とdi-O-benzyl-2,2'-thiodiethanolとのカップリング反応によりスルホニウム塩としたのちに脱保護して、salacinol型側鎖をもつ目的化合物1aに導いた.同様に,D-3から1aのエナンチオマー1bを得た。さらに1a,1bを塩化水素の存在下メタノール分解して相当する脱硫酸エステル体1c,1dにも導いた.また,2,2'-iminodiethanolとD-3,L-3のカップリングを鍵反応用いて,1a,1b,1c,1dの窒素類縁体2a,2b,2c,2dを得た.以上本年度合成予定の8種類の化合物を得た.これらのα-グルコシダーゼ阻害活性については,現在検討中である.
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