2007 Fiscal Year Annual Research Report
器官特異的遺伝子発現システムを利用した高品位薬用資源植物の作製
Project/Area Number |
19590117
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
黒崎 文也 University of Toyama, 医学薬学研究部(薬学), 准教授 (70143865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 恭司 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (70200714)
李 貞範 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 助教 (40332655)
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Keywords | GTP結合タンパク質 / αサブユニット / 遺伝子クローニング / 発現解析 / ゲノム解析 / 二次代謝 |
Research Abstract |
高等植物の二次代謝能発現に寄与するheterotrimer型GTP結合タンパク質に関する知見を得る目的で、複合体のαサブユニットをコードしている遺伝子のクローニングと発現特性の解析を試みた。ニンジン幼植物体より調整したRNAから逆転写によって得たcDNAを鋳型として、RACE法によって1679塩基からなり383アミノ酸をコードした遺伝子(GeneBank accession number,EF095216)をクローニングした。この遺伝子がコードするタンパクのアミノ酸配列は、他の植物や動物、微生物などのheterotrimer型Gタンパクのαサブユニットと高い相同性を示し、また、ゲノムDNAを制限処理したサンプルについてサザンハイブリダイゼーション解析を行ったところ、2つの類似したGα遺伝子が存在している可能性が示された。更に、RT-PCRによる発現解析によって、本遺伝子はほとんどの外部刺激に対し転写レベルでの応答をしないものの、長期間にわたる塩ストレスに対してはネガティブな反応を示すことが明らかとなった。植物のheterotrimer型Gタンパク質は他の真核生物と同様に多くのシグナル伝達に関連していることが示されている。しかしながら、今回得られた結果、すなわちGα遺伝子のコピー数が極めて少ないことおよび外部刺激に対する転写レベルでの応答性が希薄なことを考慮すると、高等植物の情報伝達系ではこのタイプのGタンパクは特異性の低いmediatorあるいはamplifierとして機能しており、標的となるエフェクターや最終的な細胞内イベントを決定する役割を担っているのは、カスケード下流にあるmonomer型Gタンパクやキナーゼ類などである可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)