2008 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子型と成分変異を指標にしたカンゾウ属植物の優良品種の選抜
Project/Area Number |
19590121
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
林 宏明 Iwate Medical University, 薬学部, 准教授 (50260998)
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Keywords | 遺伝子型 / 成分変異 / 甘草 / 成分育種 / 国際研究者交流 / 中国 |
Research Abstract |
前年度に引き続、資源枯渇が心配されている重要生薬の甘草に関して、世界各地で採集したカシゾウ属植物の葉の成分変異とpkr遺伝子型を決定し、カンゾウ属植物の成分変異と遺伝子型の対応関係を明らかにした。また、種子由来の幼植物体を人工照明下で栽培し、生成させた地下茎を解析することによりグリチルリチン酸高生産系統を選抜するとともに、選抜に用いた個体に関してもpkr遺伝子型の決定した。また、選抜したグリチルリチン酸高生産系統は試験管内で増殖するとともに、選に用いた個体を圃場に定植して栽培しており、今後、屋外栽培におけるグルチルリチン酸生産能を比較する予定である。また、既に見いだしているグリチルリチン酸非生産系統に関しては、グリチルリチン酸の代わりに蓄積している新規甘味サポニンを高含量に生産する系統を選抜するため、その子孫系統あ圃場での栽培を続行している。将来的には、屋外栽培により得られた新規甘味サポニンを用いて、その機能性を明らかにしていく予定である。さらに、本年度の夏には中国復旦大学の生命科学学院の周銅水博士の協力を得て、西北甘草の産地である中国寧夏回族自治区の甘草自生地の現地調査を行った。採集した葉サンプルを用いて、pkr遺伝子型を解析したところ、個体間で大きな遺伝子型の変異が観察され、今回の採集地のカンゾウの遺伝的多様性が大きいことが明らかとなった。今後は成分変異との関係を明らかにして、西北甘草の基原を成分変異と遺伝子型の面から明らかにする予定である。
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