2009 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子型と成分変異を指標にしたカンゾウ属植物の優良品種の選抜
Project/Area Number |
19590121
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
林 宏明 Iwate Medical University, 薬学部, 准教授 (50260998)
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Keywords | 遺伝子型 / 成分変異 / 甘草 |
Research Abstract |
人工気象器内で選抜した甘草植物系統を2年間圃場で栽培し、グリチルリチン酸の生産能を比較した。その結果、人工気象器内の栽培で高含量を示したG.uralensisの選抜系統(T628)は2年間の屋外での短い栽培期間にもかかわらず、根で3.76%、ストロン(地下茎)で5.01%の局方の下限値の2.5%に比較して非常に高含量なグリチルリチン酸含量を示した。また、この系統は地下部の生長も良く、この点からも優良系統であると考えられた。今後は、この系統と別途人工気象器内で選抜した他のG.uralensisの高生産系統(01A07-1)を実験室内で大量栽培し、グリチルリチン高生産株と低生産株の違いを遺伝子発現レドルで比較していく予定である。さらに、我々が見いだしたG.uralensisのグリチルリチン酸非生産系統(83-555)に関しては、グリチルリチン酸の替わりに生産している5種の新規サポニンを単離同定するとともに、この系統の子孫系統から、新規サポニンの生産株(83-555-5,7)を選抜し現在圃場で栽培しているところである。なお、この子孫系統の中にはG.glabraとの雑種と考えられる系統も確認され、今後詳細に比較解析する予定である。また、本年度も中国東北部の甘草自生地の調査を行う予定だったが、中国の共同研究者の都合で行わなかった。本年度は、過去2年間で採集したサンプルの分析を進め、中国の西北甘草の産地におけるG.uralensisの遺伝子型と成分型に予想以上の大きな変異が存在することを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
Hiroaki Hayashi
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Journal Title
Recent Advances in Plant Biotechnology, Chapter 5 Molecular Biology of Secondary Metabolism : Case Study for Glycyrrhiza Plants.(分担執筆Ed by Kirakosyan and Kaufman)(Springer)
Pages: 89-103