2007 Fiscal Year Annual Research Report
高感度重金属バイオセンサーの開発を目的とする細胞内亜鉛応答システムの研究
Project/Area Number |
19590125
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
大塚 文徳 Teikyo University, 薬学部, 教授 (80160547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 信滋 (独)労働安全衛生研究所, 健康障害予防グループ, 部長 (80183325)
下山 多映 帝京大学, 薬学部, 助教 (30433882)
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Keywords | 環境 / 衛生 / 亜鉛センサー / 亜鉛 / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究では重金属によって活性化される転写因子MTF-1の重金属応答機構を明らかにし、その情報を基盤として環境中重金属の高感度バイオセンサー作出を目指している。MTF-1の重金属応答を知るために、本年度は各種点変異体の作成と機能解析のためのレポーターアッセイシステムの確立を中心にして研究をおこなった。すなわち 1.MTF-1と重金属との相互作用に重要と思われるCysとHisの点変異体をすべて作成した。ただし、MTF-1が有する6個の亜鉛フィンガー構造に関しては亜鉛キレートに関わる第二Cysを変異させた。さらに、重金属シグナルがリン酸化を介する可能性も考慮し、MTF-1中のリン酸化サイトと予想されるアミノ酸の点変異体の他、NLS、NESと予想される領域の変異も同時に作成した。 2.GFPおよび外来性NESとの融合MTF-1を作成しHeLa細胞で発現させた結果、本来核に局在するMTF-1を亜鉛依存的に細胞質から核へ移行させるシステムを確立した。この亜鉛依存性に関与する部位を点変異体によって解析した結果、MTF-1の第1〜第4亜鉛フィンガーおよび、C末端領域に存在するシステインクラスターが重要であることを見いだした。 3.MTF-1の結合塩基配列であるMREを介するレポーターアッセイでは、高いバックグラウンドにより重金属応答性が明確でなく、かつ遺伝子導入効率のリファレンス自体が重金属によって変動する。そこで、HeLa細胞およびMTF-1^<-/->のdko7細胞において重金属濃度や添加時間などの諸条件を最適化し、再現性よく重金属応答を測定できるシステムを確立した。来年度は、この系を用いてMTF-1の重金属応答部位の決定およびその改変による応答性の上昇を検討する予定である。
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