2008 Fiscal Year Annual Research Report
ダイオキシンによる発がんプロモーター活性に係る転写因子の作用機序の解析
Project/Area Number |
19590127
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
手塚 雅勝 Nihon University, 薬学部, 教授 (00046294)
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Keywords | ダイオキシン / AhR / E2F / AhR / Arnt / A549細胞 / SRC-3 |
Research Abstract |
【目的】Ahレセプター(AhR)はその構造内にbHLH/PASドメインを有し、ダイオキシン類をはじめとする芳香族炭化水素をリガンドとする受容体型転写因子である。以前我々は、AhRリガンド添加ならびにAhR過剰発現が、ヒト肺がん由来A549細胞において細胞周期S期への移行を速め、その結果、細胞増殖が促進することを明らかにすると共にそのメカニズムの一部として、細胞周期関連因子であるE2Fの標的遺伝子の発現量がAhR依存的に増加することを報告した。そこで、本研究では、AhRさらにはAhRと二量体を形成するArntとE2Fとの相互作用を検討した。 【方法】RNAi法を用いてAhRおよびArntの細胞増殖への影響を確認した。E2FおよびAhR/Arntの活性は、エンハンサー部位にE2F結合部位を含むルシフェラーゼ遺伝子をA549細胞に導入することで検討した。免疫沈降法およびChIPアッセイを行い、各タンパク質の相互作用を解析した。 【結果・考察】RNAi法によるAhRあるいはArntのノックダウンは、A549細胞の増殖を抑制した。AhRリガンド処理によりE2F依存的なルシフェラーゼ活性が上昇した。また、この活性の上昇作用は、AhRあるいはArntをノックダウンすることにより減弱された。免疫沈降法によりE2F、AhRおよびArntの共沈が確認された。さらに、ChIPアッセイにより、E2F結合配列上にAhRが存在することが確認された。 AhRリガンド処理は、E2F結合配列上へのSRC-3のリクルートを促進した。これらの結果から、ダイオキシン類による細胞増殖促進作用は、AhRがE2Fと複合体を形成することでSRC-3等のコアクチベーターのE2F結合配列上へのリクルートを促進し、その転写活性化能を増強させるためであることが示された。
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Research Products
(3 results)