2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590129
|
Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
吉野 伸 Kobe Pharmaceutical University, 薬学部, 教授 (00260729)
|
Keywords | ナノ粒子 / 経口免疫寛容 / Th1 / Th2 / 抗原提示細胞 / 過敏症 |
Research Abstract |
経口免疫寛容は食物アレルギーなどの過敏症の発症予防に重要な役割を果たしている。本研究では、ナノ粒子暴露の経口免疫寛容に与える影響について検討した。実験動物としてDBA1Jマウスを用い、抗原には卵白アルブミン(ovalbumin, OVA)を用いた。低用量経口免疫寛容を誘導するため、0.1mgのOVAを抗原感作前5日間1日1回経口投与した。また、高用量免疫寛容誘導のため、20mgのOVAを感作前1回経口投与した。ナノ粒子として1, 10, 100μgの酸化亜鉛を各OVA直前に経口投与した。一定期間後に酸化亜鉛暴露マウスの脾臓からT細胞を分離し、3H-thymidineの細胞内取り込みを測定することによってT細胞の増殖反応を調べた。また、血清中のOVAに対するIgG、IgG2a(Th1細胞依存性)、IgG1およびIgE(Th2細胞依存性)を測定した。また、T細胞によって産生されるIFN-γ(Th1細胞依存性)、IL-4,IL-5(Th2細胞依存性)およびIL-10,TGF-β(Th3細胞依存性)を測定した。その結果、酸化亜鉛処理群と対照群との間にはこれらTh2およびTh3免疫寛容誘導において差はみられなかった。一方、酸化亜鉛はTh1免疫寛容誘導に対しては有意な差はみられなかったが、阻害傾向を示した。したがって、酸化亜鉛のようなナノ粒子はTh1優位の自己免疫疾患の発症に影響を及ぼす可能性があるため、今後さらに詳細に検討する必要がある。
|
Research Products
(4 results)