2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19590131
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
瀧口 益史 Hiroshima International University, 薬学部, 准教授 (90330753)
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Keywords | カドミウム / がん / 抗がん / MMP / メタロチオネイン / DNAメチル化 / エピジェネティックス |
Research Abstract |
【目的】我々はメタロチオネイン(MT)欠損マウスと野生型マウスの線維芽細胞にSV40 large T抗原を導入し不死化した細胞(前がん細胞モデル)を用い、MT欠損細胞ではマトリックスメタロプロテイナーゼ2(MMP2)遺伝子発現が減少しており、MMP2遺伝子産物である68kDa type IV collagenaseの活性も低下していることを明らかにした。そこで本年度は、MT発現ベクターを作成し、MT欠損細胞へのMT再発現に伴うMMP2遺伝子発現への影響について検討した。 【方法】細胞:野生型とMT欠損マウス線維芽細胞を使用した。MT-II遺伝子再発現細胞の作成:MT-II遺伝子発現プラスミド(pcMT-II:ゼオシン耐性遺伝子を含むpcDNA3.1プラスミド(Invitrogen社)にマウスMT-II遺伝子を組み込んだもの)を作成し、MT欠損マウス線維芽細胞に導入し、安定形質転換体MT(-)/MT-II細胞を作成した。 【結果・考察】MT-II遺伝子発現プラスミドを作成し、MT細胞に導入した結果、6個のMT-II発現クローン細胞を樹立できた。その細胞を解析したところ、MT欠損細胞で発現が変化していたprocllagen, Cryac Crystalin, CD24, CD34-like gene発現はMTの再発現によっても変化しなかった。このことは、これら遺伝子発現にMTは関係していないことを示している。一方、MMP2発現はMTの再発現によって野生型細胞と同等に増加した(3クローン)。このことより、MMP2発現はMTにより調節されていることが考えられる。しかし、MTの再発現によっても変化しないクローンもあった(3クローン)ことより、MMP2発現とMTの関係については、さらに詳しい調査が必要である。
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Research Products
(2 results)