2007 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛による神経細胞アポトーシスにおける細胞内カルシウム・ホメオスタシスの役割
Project/Area Number |
19590133
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Research Institution | Kyushu University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
川原 正博 Kyushu University of Health and Welfare, 薬学部, 教授 (40224828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定金 豊 九州保健福祉大学, 薬学部, 講師 (60293304)
木葉 敬子 九州保健福祉大学, 薬学部, 助手 (00369175)
永田 哲也 九州保健福祉大学, 薬学部, 助手 (00454992)
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Keywords | カルシウム / チャネル / プリオン / 銅 / 小胞体 / RT-PCR / イメージング / カルノシン |
Research Abstract |
亜鉛によるアポトーシスのメカニズムを解明するために、視床下部神経細胞由来の細胞株であるGT1-7細胞を用いて研究を行った。亜鉛は、濃度依存的にGT1-7細胞のアポトーシスを引き起こす。これは、L型Ca^<2+>チャネルブロッカーによって抑制されることが明らかになった。さらに、細胞内Ca^<2+>イメージングを行った結果、亜鉛が細胞内Ca^<2+>濃度の上昇を引き起こすことから、Ca^<2+>ホメオスタシスの関与が示唆された。また、さらに亜鉛による神経細胞死を抑制する物質を探索した結果、カルノシン、ヒスチジン、クエン酸などが抑制することが明らかになった。そこで、DNAマイクロアレイアナリシスにより亜鉛による神経細胞死の過程で発現している遺伝子群を探索した結果「、MT-2、ZnT-1などの金属結合蛋白等に加えて、さまざまな遺伝子群等の発現が増加していることが判明した。RT-PCRを用いて、これらの遺伝子の亜鉛による発現パターン、カルノシン等の抑制物質の影響を観察した結果、小胞体ストレス関連遺伝子群の発現が大きく関与していることが明らかになった。 さらに、このような亜鉛のホメオスタシスに影響する因子を検討した結果、銅・亜鉛結合蛋白であるプリオン蛋白に着目し、プリオン蛋白の神経毒性に及ぼす金属の影響を検討した結果、亜鉛キレーターであるTPENがプリオン蛋白によるアポトーシスを増強することが明らかになり、プリオン病発症における金属の関与を示唆する結果が得られた。本研究により、虚血時の亜鉛が関与する神経細胞死に、細胞内Ca^<2+>ホメオスタシスの異常が誘起する小胞体ストレスが関与することを示唆する重要な結果が得られた。
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Research Products
(17 results)