2008 Fiscal Year Annual Research Report
成長ホルモン及びHNF3βまたは4αによる性特異的シトクロムP450発現調節
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19590140
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
根本 信雄 University of Toyama, 医学薬学研究部(薬学), 教授 (10085631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐久間 勉 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 准教授 (30250468)
河崎 優希 富山大学, 医学薬学研究部(薬学), 助教 (30432107)
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Keywords | CYP2B9 / シトクロムP450 / 成長ホルモン / 性ホルモン / HNF3β(FoxA2) |
Research Abstract |
メス特異的に発現するマウスCyp3a41/44遺伝子の転写機構について、検討した。性腺摘出動物に性ホルモンを投与することや、脳下垂体摘出動物に成長ホルモンを投与することで、Cyp3a41/44発現に雌雄差があるのは、雌性ホルモンが視床下部に働きかけ、脳下垂体に成長ホルモンをメス特異的なパターンで分泌するように命令し、それによって起こる血中成長ホルモン濃度のメス型の変動を肝臓の細胞が認識して、メスでは促進的に働くことが示唆された。また、副腎皮質ホルモンも発現には促進的に働くことが脳下垂体摘出動物で観察された。培養細胞系では、Cyp3a41遺伝子とCyp3a44遺伝子発現に対する副腎皮質ホルモンの至適濃度に違いがあり、後者では生理的濃度で発現が最高値を示すのに対し、前者の発現は濃度依存的に発現量も増加した。また、培地に成長ホルモンを添加することで発現量が増加した。発現に対する阻害剤を検証したところ、Cyp3a41遺伝子の発現には核内転写因子PXRが、Cyp3a44遺伝子では副腎皮質ホルモン受容体GRがそれぞれ活性化される経路が主として関与することが示唆された。発現調節に関わる遺伝子領域はCyp3a41遺伝子5' -上流163塩基内に発現に関わる配列が存在することが示唆された。しかし、典型的な副腎皮質ホルモン応答配列に変異を入れても転写活性が認められた。しかし、HNF4α応答配列に変異を入れると転写活性は無くなった。ところがこの領域にGRが結合するという証拠は得られず、活性化されたGRは間接的にHNF4α配列に関わっていることが示唆された。この配列が発現の雌雄差に関わるかどうかについては、現在検討中である。
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Research Products
(9 results)