2007 Fiscal Year Annual Research Report
解毒酵素発現機構に関わる点者調節因子に着目した新視点からの糖毒性発現機序の解明
Project/Area Number |
19590151
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
三輪 匡男 University of Shizuoka, 薬学部, 教授 (10046287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅谷 純子 静岡県立大学, 薬学部, 准教授 (30098131)
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Keywords | 解毒酵素 / 転写調節因子 / 転写調節 / 糖毒性 / 核内受容体 |
Research Abstract |
高カロリー食摂取による血糖値の上昇が、肝臓、空腸における薬物代謝酵素/トランスポーターの発現におよぼす影響を検討し、発現亢進が認められたUGT1A1とUGT1A6の転写調節機構を解析した。7週齢雄性Wistarラットに普通食、高脂肪食(脂肪40%)、高脂肪・高糖質食(糖60%、脂肪10%)を4週間摂取させ、肝臓、血中脂質、血糖値を測定するとともに、薬物代謝酵素/トランスポーター、転写因子mRNAと蛋白質発現レベルの変動をリアルタイムPCR法およびウエスタンブロッティング法を用いて解析した。転写因子蛋白質は細胞質および核中の蛋白質について測定した。その結果、4週間高脂肪・高糖質食を摂取させ高栄養下に脂肪肝を形成したラットの肝UGT1A7やUGT2B1 mRNA、蛋白質の有意な変動は認められなかったが、UGT1A1、UGT1A6 mRNA、蛋白質発現レベルの有意な増大、CYP1A mRNA、蛋白質の顕著な減少を認めた。高脂肪・高糖質食摂餌により薬物トランスポーターOatp2は増大の傾向が認められたが、MRP1、2、3には影響が認められなかった。グルクロン酸抱合反応により主に代謝されるアセトアミノフェンのin vivoにおける薬物動態を検討したところ、高脂肪・高糖質食長期摂餌ラットでは消失半減期の有意な低下とグルクロン酸抱合体の有意な増大が認められ、UGT1A1、UGT1A6の発現亢進との相関が推察された。さらに核内受容体CARとPPARα蛋白質は高脂肪・高糖質食を摂取したラット肝細胞核内で発現レベルが亢進しており、UGT1A1、UGT1A6の発現亢進との相関が示された。1,7-phenanthroline(AhRアクチベーター)を高脂肪・高糖質食摂餌ラットに投与するとUGT1A6、UGT1A7の相乗的な発現亢進が認められたが、clofibrate(PPARαアクチベーター)を普通食ラットに投与すると肝CYP1A蛋白質レベルの減少、肝UGT1A1、UGT1A6蛋白質レベルが増大したことから、高脂肪・高糖質食摂餌ラットにおける核内でのCAR、PPARαの発現亢進がUGT1A1、UGT1A6の発現を惹起したと推察された。
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Research Products
(4 results)